💊 アンピシリン・スルバクタム(ユナシン)
Ampicillin-Sulbactam (Unasyn) / アンピシリン・スルバクタム(ユナシン)
作用機序
アミノペニシリンとβ-ラクタマーゼ阻害薬スルバクタムの合剤。スルバクタムが細菌のβ-ラクタマーゼに不可逆結合し、産生株(ブドウ球菌・大腸菌・クレブシエラ・パスツレラ・嫌気性菌)へのアンピシリン活性を回復。消化管バクテリアルトランスロケーションを伴う敗血症(パルボ・汎白血球減少症)や誤嚥性肺炎の経験的静注第一選択。
Aminopenicillin combined with the β-lactamase inhibitor sulbactam. Sulbactam irreversibly binds bacterial β-lactamases, restoring ampicillin activity against β-lactamase-producing Staphylococcus, E. coli, Klebsiella, Pasteurella and anaerobes — the empirical IV choice for sepsis with GI translocation (parvovirus, panleukopenia) and aspiration pneumonia.
動物種別 投与量
| 動物種 | 安全性 | 用量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 犬 Dog |
✓ 可 | 22-30 mg/kg(合剤量)静注 8時間毎。敗血症・好中球減少時は6-8時間毎。パルボ性敗血症ではエンロフロキサシン併用でグラム陰性カバーを追加。 | 静注製剤のみ(スルバクタムは経口吸収されない — 経口ステップダウンはアモキシシリン・クラブラン酸へ)。重度腎不全では投与間隔を延長。 |
| 猫 Cat |
✓ 可 | 22 mg/kg(合剤量)静注 8時間毎(汎白血球減少症の敗血症予防、膿胸、咬傷敗血症)。 | パスツレラ主体の咬傷膿瘍・嫌気性菌感染への経験的選択として良好。 |
| 馬 Horse |
✓ 可 | 子馬敗血症: 22-44 mg/kg(合剤量)静注 6-8時間毎。通常アミカシンと併用。 | 成馬では慎重に使用(広域β-ラクタムによる抗菌薬関連大腸炎リスク)。 |
| うさぎ Rabbit |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | アミノペニシリンは投与経路を問わずウサギに致死的なクロストリジウム性腸性毒血症(腸内細菌叢破綻)を起こす。 |
| ハムスター Hamster |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | ハムスターではペニシリン系が致死的なClostridium difficile腸性毒血症を誘発する。 |
| モルモット Guinea Pig |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | モルモットにペニシリン系は禁忌(致死的な抗生物質関連腸性毒血症)。 |
| チンチラ Chinchilla |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | 後腸発酵動物 — ペニシリン系は致死的な腸内細菌叢破綻を起こす。 |
| フクロモモンガ Sugar Glider |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | (小型哺乳類データから推定) ハムスターではペニシリン系が致死的なClostridium difficile腸性毒血症を誘発する。 |
| デグー Degu |
✕ 禁忌 | 禁忌。 | (小型げっ歯類データから推定) ハムスターではペニシリン系が致死的なClostridium difficile腸性毒血症を誘発する。 |
主な副作用
- ⚠️ 過敏反応、注射部位疼痛・静脈炎、消化器症状、抗菌薬関連下痢
禁忌・注意
🚫 β-ラクタム過敏症。ウサギ・モルモット・ハムスター・チンチラには禁忌(致死的腸性毒血症)。
薬物相互作用
| 併用薬 | 影響 |
|---|---|
| Methotrexate | Penicillins reduce renal MTX clearance — increased toxicity |
| Bacteriostatic antibiotics (tetracyclines, chloramphenicol) | May antagonize β-lactam bactericidal activity |
この薬が使われる疾患
抗菌薬・抗生物質の他の薬品
VetDictで鑑別診断・薬用量を確認する
薬品辞典を開く
※ 本ページの用量・相互作用情報は獣医学的参考資料であり、処方の代替ではありません。投与前に必ず原典(Plumb's Veterinary Drug Handbook 等)および添付文書で再確認し、獣医師の判断のもとで使用してください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。