脾臓捻転
概要
脾臓が血管茎を軸に回転し、静脈うっ血と壊死を引き起こす緊急疾患です。
主な症状
原因
多臓器/全身組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。ウサギの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
ウサギの多臓器/全身組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。ウサギでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
治療
ウサギにおける脾臓捻転の治療 — 外科的緊急疾患。迅速な安定化後に緊急脾臓摘出術。【術前安定化】: IV留置、積極的晶質液投与(乳酸リンゲル/0.9% NaCl 10-15 mL/kg/hr)。PCV<20%で全血輸血(ドナーウサギ使用、可能ならクロスマッチ)。【疼痛管理】: ブプレノルフィン0.03-0.05 mg/kg IV/SC q6-8h。メロキシカム0.3-0.5 mg/kg SC q24h。【緊急脾臓摘出術】: 正中開腹(イソフルラン/セボフルラン麻酔)。前投薬: メデトミジン0.1-0.25 mg/kg + ブトルファノール0.3-0.5 mg/kg IM。約30%にアトロピナーゼ — グリコピロレート使用。脾血管を個別に二重結紮。脾臓全摘出(整復のみ不可 — 壊死組織再灌流でDIC/エンドトキシン血症)。病理組織検査提出(リンパ腫等の基礎疾患除外)。【術後管理】: IV輸液継続24-48h。エンロフロキサシン10-20 mg/kg SC q12h。DICモニタリング(PT/PTT、血小板、D-ダイマー)。PCV/TP q4-6h × 24h。チモシー牧草は回復直後から(絶食禁止 — GI stasisが術後#1合併症)。メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg SC q8h。長期的にはウサギは脾摘に良好に耐容。参考文献: Harcourt-Brown (2002); Quesenberry & Carpenter (2012).
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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