ウマバエ幼虫症
概要
ウマバエ幼虫の皮下移行により、皮膚に呼吸孔を持つ嚢胞状の腫脹を形成します。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すうさぎの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ウサギにおけるウマバエ幼虫症の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
ウサギにおけるウマバエ幼虫症の原因: ウマバエ幼虫の皮下移行により、皮膚に呼吸孔を持つ嚢胞状の腫脹を形成します。
病態生理
ウマバエ幼虫症はウサギにおける皮膚疾患である。表皮バリア、真皮炎症、または付属器機能の障害を伴う。バリア機能の低下により経表皮水分喪失、アレルゲン浸透、微生物コロニー形成が促進される。炎症メディエーター(ヒスタミン、プロスタグランジン、サイトカイン)が掻痒、紅斑、二次的な擦過傷を駆動する。慢性疾患では表皮過形成、苔癬化、色素沈着、線維化が生じる。
診断
皮下の腫脹・呼吸孔(気門孔)を持つ皮下結節からウマバエ(Cuterebra)幼虫寄生を疑う。視診・触診で皮下結節内の幼虫の運動を確認。結節の呼吸孔から幼虫を直接確認し摘出。摘出幼虫の形態で虫種を同定。CBC/生化学で好酸球増多を評価。二次感染の培養・感受性試験を実施。屋外飼育歴・季節(夏季〜秋季)を聴取。ウサギでは頸部・胸部に好発し、幼虫の不完全摘出はアナフィラキシー反応を起こす危険があるため慎重な摘出が必要。
治療
ウサギにおけるウマバエ幼虫症の治療: 幼虫の用手摘出が第一治療。鎮静下(ミダゾラム 0.5-1 mg/kg IM + ブトルファノール 0.1-0.5 mg/kg IM)で呼吸孔(warble hole)を#15メス刃で十字切開し拡大。モスキート鉗子で幼虫を完全な状態で摘出 — 幼虫を破砕・破裂させないこと(幼虫抗原放出による致死的アナフィラキシーのリスク)。空洞を温生理食塩水で十分に洗浄。開放創として管理 — 一次縫合しないこと(二次治癒で排膿)。イベルメクチン 0.2-0.4 mg/kg SC × 1回で残存幼虫や移行中の初期齢虫を排除。フィプロニルは絶対禁忌 — ウサギで致死的。二次感染に抗菌薬: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/SC q12h × 7-10日(経口ペニシリンは絶対禁忌)。疼痛管理: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h × 5-7日。肉芽形成と閉鎖まで毎日創傷モニタリング(通常7-14日)。異所性移行(CNS、眼、呼吸器): 予後注意〜不良; 幼虫をin situで殺さない(炎症反応が致死的になりうる)— 到達可能なら外科的除去。屋外ウサギ: ハエシーズン(夏/秋)にメッシュで囲い、糞便を迅速に除去。参考文献: Harcourt-Brown (2002), Quesenberry & Carpenter (2020).
予防
ウマバエ幼虫症の予防: 定期的な健康診断。適切な栄養管理。ストレスの軽減。清潔な飼育環境の維持。異常の早期発見・早期受診。
予後
ウマバエ幼虫症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(うさぎ)
VetDictでうさぎの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。