腸閉塞
概要
摂取した毛や異物による腸の完全または部分的な閉塞。外科的緊急事態です。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける腸閉塞の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
消化器系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。ウサギの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
ウサギの消化器系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。ウサギでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
診断
急性腹部膨満・食欲廃絶・激しい腹痛(歯ぎしり、うずくまり姿勢)から疑診。腹部X線で拡張した腸管ループ・液体レベル。ウサギは嘔吐できないため閉塞近位の胃・腸管が著しく拡張し破裂リスク高。腹部超音波で閉塞部位の特定・蠕動消失。CBC/生化学で脱水、電解質異常(低K)、代謝性アルカローシス、乳酸値上昇。造影X線検査で閉塞部位確認(バリウムは慎重に使用)。主な原因は毛球、脱水した食渣、異物。鑑別にGI stasis、胃拡張、腸重積、腫瘍を考慮。外科適応の迅速な判断が重要。
治療
腸閉塞の治療: 外科的緊急事態。GI stasis(機能性イレウス、内科的管理に反応)と真の機械的閉塞(緊急手術が必要 — 手術遅延>6-8時間で致死率80%以上)を鑑別。腹部X線: ガス拡張した胃と液面形成+近位腸管のガス拡張=閉塞。腹部超音波: 閉塞部位、腸重積、異物の特定。術前内科安定化: 積極的IV輸液(乳酸リンガー10-15 mL/kg/hrボーラス後4-6 mL/kg/hr)、疼痛管理 — ブプレノルフィン0.01-0.05 mg/kg SC/IV q6-8h(重度疼痛にオピオイド)、メロキシカム0.5-1.0 mg/kg SC q24h。胃が著明に拡張している場合は経口胃管で胃減圧。外科的管理: 全身麻酔下(イソフルラン、気道にV-gel推奨)で開腹探査。異物除去のための腸切開(カーペット繊維、ゴム、布が一般的)。腸重積: 用手整復または切除吻合。腸壁壊死: 一期的吻合術(4-0〜5-0 PDS)。術後管理: IV輸液48-72時間、術後6-12時間以内にクリティカルケア(Oxbow)で早期経腸栄養開始(GI stasisが術後最大の合併症)、メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg SC q6-8h。疼痛管理: メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO q24h+ブプレノルフィン×48-72h。抗菌薬: エンロフロキサシン10-20 mg/kg SC q12h+メトロニダゾール20 mg/kg PO q12h×7-10日間。経口ペニシリン系は絶対禁忌。排便モニタリング — 術後12-24時間以内に最初の糞便を期待。参考文献: Harcourt-Brown (2014); Oglesbee & Lord (2020).
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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