後天性重症筋無力症(局所型)
概要
主に食道筋を侵す重症筋無力症の局所型で、巨大食道と逆流を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬における後天性重症筋無力症(局所型)の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
免疫介在性(抗AChR抗体)。ゴールデン・ジャーマンシェパード・ダックスフンドに好発。中高齢犬。巨大食道症の犬では抗AChR抗体を測定すべき。約50%が6〜18ヶ月で自然寛解。
病態生理
抗AChR自己抗体→食道筋のニコチン受容体破壊→食道蠕動障害→巨大食道症→吐出→誤嚥性肺炎(最大の致死要因)。四肢筋は侵されない(局所型の特徴)。犬のMGの約40%が局所型。胸腺腫の合併を精査。
診断
抗AChR(アセチルコリン受容体)抗体価上昇が確定診断(感度85-90%)。ELISA法で測定。局所型: 食道(巨大食道症)、咽頭(嚥下困難)、顔面(表情筋)の限局性筋力低下。テンシロン(エドロフォニウム)試験で一過性の症状改善。EMGで漸減反応(decremental response)。胸部X線で巨大食道症と吸引性肺炎。前縦隔腫瘤(胸腺腫: 3-5%で合併)をCTで評価。
治療
後天性重症筋無力症(局所型):ピリドスチグミン 0.5-3 mg/kg PO q8-12h(抗コリンエステラーゼ)。巨大食道症→直立位給餌(Bailey Chair)×15-30分。少量頻回給餌。誤嚥性肺炎→広域抗菌薬(アンピシリン+エンロフロキサシン)。プレドニゾロン低用量(0.5 mg/kg q24h)免疫抑制。AChR抗体価モニタリングq4-8週。自然寛解あり(6-18ヶ月で約50%)。(Shelton, Vet Clin North Am 2002)
予防
確実な予防法はない。立位給餌(Bailey chair)で誤嚥性肺炎を予防。ピリドスチグミンでの対症療法。
予後
犬における後天性重症筋無力症(局所型)の予後は基礎病態・重症度・治療開始時期により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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