ピレトリン・ペルメトリン中毒(犬)
概要
合成ピレスロイド系殺虫剤中毒。犬はP450酸化代謝が効率的なため猫より耐性あり(猫の10-100倍の差)。大量経口摂取(原液)または長時間皮膚接触で毒性発現。猫への適用が最重大緊急事態。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるピレスリン/ペルメトリン中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
ペルメトリン・ピレトリン原液の経口摂取、高濃度製剤の長時間皮膚接触。
病態生理
ピレスロイドはNaチャネルを持続開口させ反復脱分極。I型(ペルメトリン)T症候群(振戦・流涎)、II型(シペルメトリン)CS症候群(舞踏病・流涎)。犬はP450・エステラーゼ代謝が猫より10-100倍効率的。
診断
ピレスリン/ペルメトリン中毒の診断は製品曝露歴と臨床徴候から行う。犬では大量曝露でのみ中毒を呈し、猫に比べ感受性は低い。症状:振戦、運動失調、流涎、嘔吐、痙攣。重症例では持続的痙攣・昏睡。曝露歴:殺虫剤スポットオン製品の誤用・過剰投与。確定的な血液検査はないが、臨床徴候と曝露歴から推定診断。血液検査で低Ca血症、CK上昇(持続性振戦による横紋筋融解)を確認。体温モニタリング(振戦による高体温)。鑑別:有機リン中毒、ストリキニーネ、メタルデヒド中毒、てんかん。治療は支持療法(メトカルバモール、ジアゼパムで振戦制御)。
治療
脱汚染(入浴/催吐)→メトカルバモール55-220 mg/kg IV(振戦に第一選択)→ジアゼパム0.5-1 mg/kg IV(痙攣)→イントラリピッド20% 1.5 mL/kg IV(脂質救出療法:重症例)。体温管理が重要(>40℃で積極的冷却)。
予防
ペルメトリン含有製品の適切な保管。処理エリアへの立入制限。猫用製品を猫に適用しない。
予後
良好。犬は猫より大幅に耐性があり、治療(メトカルバモール+体温管理)で24-72時間以内に回復が多い。脂質救出療法で重症例の予後改善。
関連する薬品
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