犬先天性巨大食道症
概要
先天性食道運動低下で、吐出・栄養不良・誤嚥性肺炎のリスクを引き起こします。
主な症状
原因
先天性。ワイヤーヘアードフォックステリア・ミニチュアシュナウザー(遺伝性)、ジャーマンシェパード・グレートデーンに好発。
病態生理
食道壁神経叢の先天的発育不全→食道蠕動運動障害→食道拡張→吐出→誤嚥性肺炎。離乳後に固形食で発症。
治療
根治療法なし。管理の柱:立位給餌(Bailey chair)+食後10-30分の立位保持。高カロリー流動食〜半固形食(個体により最適な食事形態が異なる — 試行錯誤が必要)。少量頻回給餌。誤嚥性肺炎の早期発見・治療が予後を左右(広域抗菌薬:アモキシシリン-クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h)。制吐薬(メトクロプラミド 0.2-0.4 mg/kg PO q8h)で胃食道逆流軽減。シルデナフィル(下部食道括約筋弛緩)の報告あり。基礎疾患検索:重症筋無力症(AChR抗体)、甲状腺機能低下症、アジソン病。好発:ジャーマンシェパード、グレートデーン、アイリッシュセッター。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • CPパウダー (プレバイオ+プロバイオ+サイリウム): 腸内細菌叢正常化・腸管バリア強化・腸腎連関 • カミデミルク (消化吸収しやすい流動性栄養): 食欲不振・クリティカルケア・経管栄養 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※CPパウダー: 完全腸閉塞は禁忌 ※カミデミルク: 完全腸閉塞は禁忌; 重症膵炎は低脂肪配合
予防
好発犬種の繁殖管理。立位給餌(Bailey chair)で誤嚥性肺炎予防。一部は成長に伴い改善。
予後
予後は異常の種類と重症度により著しく異なる。軽度の形態異常は外科的矯正により正常な生活が可能であるが、重度の多臓器奇形では生存率が低い。早期診断と適切な介入により機能的予後を改善できる症例が多い。遺伝性疾患では進行性の経過をたどるものもあり、長期的なモニタリングと支持療法が生活の質の維持に重要である。
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