気管異物
概要
気管内異物→気道部分/完全閉塞→窒息リスク。気管支鏡で可視化・除去が原則。完全閉塞時は気管切開が即時救命処置。気道粘膜刺激による激しい咳嗽発作から気づかれる。
主な症状
原因
小型ゴムボール・草の穂・種子・骨片・縫い針・食物片(トウモロコシの芯等)。小物を噛む犬・採食中の犬・子犬。食事中や遊び中の突然発症の咳嗽/呼吸困難の病歴が鍵。
病態生理
異物(小さなボール・種子・草片・食物片・骨片)の気管内吸引→気道部分閉塞(吸気性喘鳴・呼気時の弁膜効果)→気道粘膜の刺激→激しい咳嗽反射。完全閉塞→窒息→数分で心停止。部分閉塞でも二次的な気管浮腫→閉塞の進行。胸部X線で気管内異物の描出、気管支鏡で確認・除去。
治療
気道確保が最優先。1. 完全閉塞・虚脱時:ハイムリック法(最後肋骨後方で鋭い圧迫)または背部打叩法。失敗時:異物より尾側で緊急気管切開。2. 酸素補給(フローバイ/マスク/挿管)。3. 内視鏡的除去:短時間麻酔(プロポフォール4-6 mg/kg IVまたはアルファキサロン2-3 mg/kg IV)下で硬性気管支鏡+鉗子/バスケット。遠位部の場合は軟性気管支鏡。4. 内視鏡失敗時:気管切開術(頸部気管縦切開)。5. 除去後:気管/気管支洗浄+培養。抗菌薬(アモキシシリン/クラブラン酸15-20 mg/kg PO q12h×7-10日)。デキサメタゾン0.1-0.2 mg/kg IV 1回(内視鏡後浮腫軽減)。除去後のX線確認(完全除去+気胸がないことを確認)。
予防
小型玩具でのプレイ監視;大型犬への小型ボール禁止。鶏/豚骨を与えない(砕けやすい)。野外活動後の被毛/肢端からの草穂除去。
予後
迅速な内視鏡的除去で予後は優良(生存率>95%)。完全閉塞>3-5分では死亡リスク。草の穂の遊走:慎重(膿瘍/膿胸リスク)。鋭利異物による気管穿孔:慎重。
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