アセトアミノフェン中毒
概要
アセトアミノフェン(パラセタモール/タイレノール)中毒によるメトヘモグロビン血症・肝壊死・顔面/足の浮腫。犬の毒性量:>75 mg/kg(GI/肝障害)、>200 mg/kg(メトヘモグロビン血症)。猫は少量でも致命的(グルクロン酸抱合能の欠如)。肝毒性は摂取後12〜24時間;メトヘモグロビン血症は1〜4時間以内に発症。特異的解毒剤:N-アセチルシステイン(NAC)—早期投与が必須。
主な症状
原因
ヒト用OTC鎮痛薬:アセトアミノフェン(カロナール・タイレノール325〜500 mg錠、PM製剤、感冒薬)。処方薬:コデイン/アセトアミノフェン配合剤。飼い主の自己判断での投与(獣医師の処方なしでは絶対に安全でない)。猫は任意の量が危険;犬は>75 mg/kgで肝毒性。
病態生理
アセトアミノフェン代謝:(1)主にグルクロン酸/硫酸抱合(無毒)。(2)CYP2E1→NAPQI(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン)—高反応性代謝物。グルタチオン枯渇(毒性量)→NAPQI蓄積→(a)肝細胞との共有結合→小葉中心性肝壊死;(b)ヘモグロビン酸化→メトヘモグロビン(MetHb)→O2輸送障害→チョコレート色粘膜・チアノーゼ;(c)赤血球内ハインツ小体形成→溶血性貧血。犬:肝毒性が主(>75 mg/kg)。顔面/足の浮腫:犬に特徴的—機序不明(蛋白付加物誘発性血管透過性亢進の可能性)。猫:グルクロン酸抱合能欠如→NAPQI が硫酸抱合を圧倒→極度の感受性。
治療
消化管除染(摂取後1〜2時間以内、意識明瞭):アポモルヒネ0.03 mg/kg IV→活性炭1〜3 g/kg PO。N-アセチルシステイン(NAC)—解毒剤(グルタチオン補充、NAPQI毒性予防):負荷140 mg/kg IV(5%ブドウ糖希釈、15〜30分かけて)、その後70 mg/kg IV 4時間毎×7回(重症では17回投与で68時間コース);IV不可の場合は経口NAC(同用量)。NAC投与は検査結果を待たずに直ちに開始。MetHb管理(MetHb >20%または症状あり):アスコルビン酸(ビタミンC)30 mg/kg IV 6時間毎(MetHbをHbに還元)。O2補充:メトヘモグロビン血症には100%O2。SAMe 20 mg/kg/日 PO(グルタチオン補充)。シリマリン50〜100 mg/kg/日 PO(肝保護)。肝不全管理:IVブドウ糖(2.5〜5% CRI)・FFP(10〜20 mL/kg)。重篤な溶血性貧血(PCV<20%)に輸血。72時間最低でも毎日肝機能・MetHb・CBCモニタリング。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化 • Booster & Relax (アダプトゲン+Bビタミン複合体): ウイルス後回復・内分泌疾患エネルギー補給・高齢期慢性疲労 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
全ての人用薬をペット防止容器に保管。獣医師の指示なしに絶対アセトアミノフェンをペットに投与しない。全ての複合感冒薬/鎮痛薬のアセトアミノフェン含有を確認。摂取疑いの場合は直ちに緊急受診—「様子観察」は不可。
予後
2〜4時間以内に治療+フルNACコース:犬(肝毒性量)では良好。確立した肝不全(ALT >100倍正常):慎重〜不良。重篤なMetHb血症(>50%):慎重—致命的な貧血と臓器低酸素血症を引き起こしうる。猫:グルクロン酸抱合能欠如のため積極的治療でも慎重。急性肝毒性を生存した犬:肝再生は通常2〜4週間かけて起こる。NAC開始までの時間が最も重要な予後因子。
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