イブプロフェン中毒
概要
犬はイブプロフェンに高感受性。毒性量:消化管≥50 mg/kg、腎障害≥100 mg/kg、CNS毒性≥175-400 mg/kg。半減期3.6-4.4時間。ナプロキセンと異なり腸肝再循環なし→単回活性炭で十分。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるイブプロフェン中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
ヒト用イブプロフェン錠剤・カプセル・懸濁液の誤飲。5 kg犬が200 mg錠1錠=40 mg/kg(GI毒性量に近い)。飼い主が鎮痛目的で投与するケースも多い。
病態生理
COX-1/2非選択的阻害。①GI毒性(PGE2枯渇→粘膜保護喪失→潰瘍、≥50 mg/kg)②腎毒性(腎血管拡張PG枯渇→求心性収縮→AKI、≥100 mg/kg)③CNS毒性(≥175 mg/kg:脳浮腫・直接毒性)。
診断
病歴聴取でイブプロフェン(NSAIDs)の誤食を確認。摂取量・時間を推定。中毒量: >25 mg/kgで消化管症状、>100 mg/kgで腎障害、>400 mg/kgでCNS症状。血液検査でBUN/Cre上昇(急性腎不全)、電解質異常。便潜血/吐血で消化管出血を確認。尿検査で尿沈渣(腎尿細管壊死)。内視鏡で胃潰瘍・穿孔を評価。催吐+活性炭+腎保護療法。
治療
摂取量(mg/kg)から治療強度を決定。脱汚染(催吐+活性炭、単回で十分)→GI保護(オメプラゾール+スクラルファート+ミソプロストール)→腎保護(積極的点滴+尿量モニタ)→CNS症状(ジアゼパム、≥175 mg/kgで出現)。
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予防
ヒト用NSAIDの施錠保管。犬へのヒト用イブプロフェン投与を厳禁。犬用NSAID(メロキシカム・カルプロフェン)のみを使用。
予後
早期脱汚染で良好(<100 mg/kg)。>175 mg/kgや腎不全発症例では慎重。早期対応でAKIは可逆的なことが多い。GI穿孔は外科的対応が必要。
関連する薬品
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