ヘパトゾーン症
概要
マダニ媒介の原虫疾患で、筋肉痛・発熱・消耗を引き起こします。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます
原因
犬におけるヘパトゾーン症の原因は特定の細菌病原体の感染である。病原性細菌が体内に侵入(経口・経皮・経気道・媒介動物)し、増殖・毒素産生・組織浸潤により疾患を引き起こす。宿主免疫抑制(ストレス・栄養不良・併発疾患)、抗菌薬の不適切使用による菌叢異常、汚染環境への持続的曝露、咬傷・外傷からの侵入が主要リスク。近年の薬剤耐性菌(MRSP・ESBL産生菌)の出現が治療上の課題となっている。
病態生理
ヘパトゾーンは感染マダニの捕食・摂取で犬に感染する原虫で、腸管から実質臓器・筋・骨に播種する。H. americanumは筋・骨膜に重度の化膿性肉芽腫性炎症を起こし、激しい疼痛・歩様異常・骨膜増殖・好中球増多をきたす。H. canisは脾・骨髄・リンパ節を侵し貧血・削痩を生じる。
治療
犬のヘパトゾーン症は原因種で治療が異なる。H. canis感染にはイミドカルブジプロピオン酸塩5-6 mg/kg IM/SCを2週間隔で原虫血症が消失するまで反復。アメリカ型(H. americanum)にはTMS+クリンダマイシン+ピリメタミンの三剤併用(TCP)を14日、続いてデコキネート10-20 mg/kg PO q12hを長期投与し再発を抑制する。疼痛・発熱・削痩に対する支持療法とマダニ駆除を併用する。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+メロンSOD+VitE+システイン(アスタアミノ処方)): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート。アスタキサンチン(カロテノイド系)+SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)が活性酸素種を消去。CKD・肝疾患・アトピー・ダニ媒介性感染症の酸化ストレス軽減、高齢動物の免疫機能維持に
予防
犬におけるヘパトゾーン症の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
犬におけるヘパトゾーン症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
消化器の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。