感電(電気コード咬傷)
概要
電気コードを咬む・噛む(主に歯の生え変わり期の子犬)、または通電中の配線に接触して生じる損傷。低電圧の家庭用電流では口角・舌の電気熱傷が典型で、特徴的に数時間後に遅発性の非心原性(神経原性)肺水腫を来す。高電圧や落雷では心不整脈・心停止・深部熱傷を生じうる。受傷直後は安定して見えても数時間後に悪化しうるため経過観察が必須である。
主な症状
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原因
電気コードを噛む(歯の生え変わり期の子犬)、露出・通電中の配線への接触、落雷、切断された電線への接触。
病態生理
組織を通過する電流が接触部で熱と電気熱傷を生じ、心筋・呼吸筋を脱分極させて不整脈を起こしうる。特徴的な神経原性肺水腫は、大量の交感神経(カテコールアミン)サージにより血液が肺循環へ移動し毛細血管透過性が亢進することで生じ、しばしば1〜36時間遅れて出現する。口腔熱傷は数日かけて境界を形成して脱落し、骨露出や口鼻瘻を来すことがある。
治療
緊急。(1)動物に触れる前に必ず電源を切る(元で抜く・遮断する)。(2)気道・呼吸・循環の確保、酸素投与、RECOVERに準じて不整脈・心停止に対応(ECGモニタリング、持続性心室頻拍にリドカイン2 mg/kg IV)。(3)遅発性肺水腫を想定し、初期に安定していても最低24〜48時間は呼吸数とSpO2をモニタリングして入院管理;肺水腫には酸素・フロセミド1〜4 mg/kg IV、重症なら陽圧換気。(4)口腔熱傷:オピオイド鎮痛、軟らかい食事、希釈クロルヘキシジン洗口、境界が明瞭化した壊死の遅延デブリードマン;口鼻瘻に注意。(5)肺水腫の悪化を避けるため輸液は慎重に行う。
予防
コードを管理する(配線カバー・保護管、未使用時は抜く)、苦味のある咬み防止剤を使用する、歯の生え変わり期の子犬を監督する、切断された電線には近づけない。
予後
口腔熱傷のみで肺水腫がわずか/なしの場合は良好。重度の神経原性肺水腫では予後注意、心停止や広範な高電圧・落雷損傷では不良。
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