食道虫症
概要
食道に肉芽腫を形成する食道虫感染で、肉腫に変化する可能性があり、温暖な気候で流行します。
主な症状
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臨床徴候
犬における食道虫症の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
Spirocerca lupi(食道虫)。中間宿主(糞虫)または待機宿主(トカゲ・カエル・鳥)の摂取。温暖な気候(中東・アフリカ・南米・東南アジア)で流行。日本での報告は少ないが輸入犬に注意。
病態生理
糞虫(中間宿主)摂取→L3幼虫が胃壁穿通→大動脈壁を経由して食道壁に到達→食道の肉芽腫形成→肉腫への悪性変化(食道線維肉腫/骨肉腫)。大動脈瘤・肥大性骨症の合併。
診断
内視鏡検査で食道壁の結節性腫瘤を確認(成虫が結節内に寄生)。生検で虫体断面を確認。糞便検査で特徴的な小型(30-38×11-15μm)の含幼虫卵を検出(浮遊法は感度低い→遠心沈殿法)。胸部X線/CTで尾側食道壁の腫瘤、大動脈瘤(幼虫移行路)、脊椎腹側の骨増殖を確認。食道骨肉腫への悪性転化のリスク。嚥下障害、吐出、喀血が臨床症状。ドラメクチンが治療。
治療
犬における食道虫症の治療には、同定された寄生虫に応じた適切な駆虫薬が必要である。一部の駆虫薬は特定の種に有毒であるため、種に適した用量設定が重要である。全てのライフステージを排除するため複数回投与が必要な場合がある。環境消毒と接触動物の治療で再感染を防止する。貧血、脱水、栄養失調などの二次的合併症に対する支持療法を行う。
予防
流行地域でのドラメクチン/イベルメクチンの定期投与。内視鏡で食道内肉芽腫を確認・モニタリング。
予後
犬における食道虫症の予後は原因病態・脱水と電解質異常の程度・治療開始時期により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
関連する薬品
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