尿管結石
概要
尿管に炭酸カルシウム結石が嵌頓し、閉塞や水腎症を引き起こします。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すうさぎの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ウサギにおける尿管結石の臨床徴候は欠乏または過剰の栄養素により特異的パターンを示す。カルシウム不足: 骨軟化・病的骨折・痙攣・成長不良。ビタミンA不足: 眼疾患・皮膚角化異常・夜盲・繁殖障害。ビタミンC不足(モルモット): 関節腫脹・出血傾向・歯周病・成長不良。タンパク質-エネルギー欠乏: 削痩・筋萎縮・低アルブミン血症・浮腫。ビタミンD/UV-B不足(爬虫類): 代謝性骨疾患・骨軟化。
原因
ウサギにおける尿管結石の原因: 尿管に炭酸カルシウム結石が嵌頓し、閉塞や水腎症を引き起こします。
病態生理
尿管結石はウサギにおける栄養障害である。特定の栄養素の不十分な摂取、吸収不良、または過剰摂取により生じる。欠乏状態では、影響を受けた栄養素を補因子または基質として必要とする生化学的経路が障害され、細胞機能障害を引き起こす。過剰状態では組織への蓄積や栄養素間相互作用の障害により毒性が生じる。種特異的な食事要求により、適切な栄養管理が予防に不可欠である。
診断
急性腰部疼痛・血尿・食欲不振・排尿困難から尿管結石を疑う。X線で尿管走行に沿った高密度結石影を確認(ウサギの結石は炭酸カルシウム主成分でX線で明瞭)。超音波で水腎症(腎盂拡張)・尿管拡張を確認。CT検査で結石の正確な位置・大きさ・水腎症の程度を精査。生化学でBUN/Cre上昇・Ca上昇を評価。尿検査で血尿・結晶を確認。ウサギのCa代謝は腎排泄依存性が高く、高Ca食と飲水不足が結石形成の主因。両側性閉塞は急性腎不全をきたす。
治療
ウサギにおける尿管結石(ほぼ全て炭酸カルシウム)の治療: 1. 完全閉塞+水腎症の緊急手術: 尿管切開術(ureterotomy)または尿管膀胱新吻合術(ureteroneocystostomy)をイソフルラン/セボフルラン麻酔下で実施。2. 術前安定化: 晶質液IV 10-15mL/kg/hr、電解質・酸塩基補正。3. 周術期鎮痛: ブプレノルフィン0.01-0.05mg/kg SC q6-8h + メロキシカム0.3-0.6mg/kg SC q24h。4. 周術期抗菌薬: エンロフロキサシン5-10mg/kg SC q12h(経口βラクタム禁忌—致死的腸毒素血症)。5. 片側性で腎機能廃絶の場合: 腎尿管摘出術(対側腎機能を超音波+GFRで確認必須)。6. 術後食事管理(最重要): チモシー干し草に変更、高Ca野菜制限、チモシーベースペレットのみ。飲水促進。7. ウサギは余剰Caを腎臓から排泄—食事性Caが最大の修正可能リスク因子。8. フォローアップ: 腹部X線、BUN/Cre、尿検査を3-6ヶ月毎。炭酸カルシウム結石は内科的溶解不可(犬猫のストルバイトとは異なる)。参考: Harcourt-Brown (2002); Lennox (2013)。
予防
尿管結石の予防: チモシー干し草主体の低Ca食、飲水促進、高Ca野菜の制限、チモシーベースペレットの適量給与、定期的な尿検査と腹部X線、肥満予防。
予後
尿管結石の予後: 早期治療で予後良好。再発予防には食事管理と定期検査が重要。閉塞性疾患は緊急対応で予後改善。慢性腎疾患はステージにより予後が異なる。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
泌尿器の他の疾患(うさぎ)
VetDictでうさぎの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。