← トップへ戻る
うさぎ (Rabbit) 泌尿器 重度

尿路結石症

Urolithiasis (Bladder Stones) / 尿路結石症

概要

腎臓、尿管、膀胱にカルシウム系結石が形成され、痛み、血尿、閉塞を引き起こします。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示すうさぎの他の疾患を確認できます

臨床徴候

ウサギにおける尿路結石症の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。

原因

ウサギにおける尿路結石症の原因: ウサギはカルシウム代謝が他の哺乳類と異なり、食事中の余剰カルシウムを腎臓から排泄するため、高カルシウム尿が生理的に生じる。カルシウム過剰な食事(アルファルファ主体)、飲水量不足、運動不足、肥満による排尿頻度低下が炭酸カルシウム結石の形成を促進する。

病態生理

尿路結石症はウサギにおける腎・泌尿器疾患である。ウサギはカルシウム代謝が特殊で、食事中のカルシウムを腸管から効率的に吸収し余剰分を腎臓から排泄するため、生理的に高カルシウム尿となる。過剰なカルシウムが尿中で炭酸カルシウムとして結晶化・結石化する。膀胱結石は粘膜を刺激し血尿・頻尿・排尿困難を引き起こす。尿道閉塞(特にオスで重篤)は急性腎後性腎不全・膀胱破裂に至りうる。尿砂(スラッジ)の蓄積は慢性膀胱炎と排尿障害の原因となる。

診断

尿検査で結晶尿・血尿・pH(通常アルカリ性)を確認。腹部X線で尿路結石の位置・数・大きさを確認(ウサギの結石はカルシウム含有量が高くX線造影性が高い)。腹部超音波で結石の詳細な位置と水腎症の有無を評価。血液検査でBUN・Cre・カルシウム値を確認。ウサギは血中カルシウムの余剰を腎排泄するため、高カルシウム食餌でカルシウム系結石のリスクが増大。

治療

ウサギにおける尿路結石症の治療(ほぼ全て炭酸カルシウム): 閉塞性結石は外科的緊急—膀胱結石には膀胱切開術、尿道閉塞には尿道瘻造設術(メスでは稀、オスに多い)。術前安定化: 晶質液IV 10-15mL/kg/hr、高窒素血症と電解質異常を補正。周術期鎮痛: ブプレノルフィン0.01-0.05mg/kg SC q6-8h + メロキシカム0.3-0.6mg/kg SC q24h。周術期抗菌薬: エンロフロキサシン5-10mg/kg SC q12h(経口βラクタム禁忌)。膀胱スラッジ: 鎮静下のカテーテル洗浄、反復実施。術後食事管理(最重要): チモシー干し草(Ca約0.4%)に変更、アルファルファ(Ca約1.5%)排除、チモシーベースペレットのみ(体重2kgで1/8カップ)、高Ca野菜制限。飲水促進。ウサギは余剰Caを腎排泄するため食事性Ca制限が必須。CaCO3結石は内科的溶解不可。3-6ヶ月毎にX線+尿検査。食事不遵守で再発率高。参考: Harcourt-Brown (2002); Lennox (2013)。

予防

尿路結石症の予防: 飲水量の増加(ウェットフード、複数の水場)。適切な食事管理。定期的な尿検査。排尿パターンの日常観察。ストレス軽減。

予後

尿路結石症の予後: 早期治療で予後良好。再発予防には食事管理と定期検査が重要。閉塞性疾患は緊急対応で予後改善。慢性腎疾患はステージにより予後が異なる。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 メロキシカム 💊 ブプレノルフィン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

泌尿器の他の疾患(うさぎ)

うさぎの全疾患を見る →

VetDictでうさぎの鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

膀胱炎 (共通4症状) 消化管うっ滞 (共通3症状) 尿路スラッジ(砂状尿) (共通3症状) 筋萎縮(悪液質)(ウサギ) (共通3症状) くる病(ウサギ) (共通3症状) 胃拡張(鼓脹症) (共通2症状) 腸閉塞 (共通2症状) 歯の不正咬合 (共通2症状)
📋 うさぎの疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。