水腎症
概要
尿管閉塞による腎盂と腎杯の拡張で、進行性の腎障害を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける水腎症の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。
原因
ウサギの泌尿器系に影響する正確な原因は不明または多因子性。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常・不顕性感染・代謝障害が寄与因子として考えられる。個々の症例での主原因特定にはさらなる調査が必要。
病態生理
ウサギの泌尿器系に影響する正確な病態生理は完全には解明されていない。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常を含む多因子性メカニズムが関与すると考えられる。泌尿器系組織における炎症性・代謝性・構造的変化が進行性の臨床徴候をもたらす。ウサギにおける疾患メカニズムの完全な解明にはさらなる研究が必要。
診断
腹部超音波で腎盂の拡張・腎実質の菲薄化を確認し程度を評価。腹部X線で尿管結石・膀胱結石の有無を確認。静脈性尿路造影(IVU)で閉塞部位を特定。CT検査で閉塞原因の詳細な評価。血液検査でBUN・Cre・電解質を確認。両側性の場合は急性腎不全を伴う。ウサギではカルシウム系尿管結石が最も多い原因で、高カルシウム食餌との関連が強い。
治療
尿管閉塞の解除 — ウサギで最多原因は炭酸カルシウム尿石症(ウサギ特異的: ウサギは余剰カルシウムを腎臓から排泄し、特徴的な白濁した「スラッジ」尿を産生)。腎超音波で水腎症を確認し閉塞レベルを同定。対側腎機能を評価(BUN、クレアチニン、GFR推定)。片側性で腎機能喪失: 腎尿管摘出術(対側腎が健常なら根治的)。腎機能温存可能: 尿管結石切石術または尿管ステント留置。カルシウムスラッジの場合: 積極的IV/SC輸液(乳酸リンゲル液 100-150 mL/kg/日)で沈殿物を洗い流す + 食事変更 — 成体ではアルファルファからチモシー牧草ベースの食事に変更(低カルシウム)、カルシウム豊富な野菜を減らす(ケール、ブロッコリー)、飲水量を増やす(ボトルよりボウルを推奨)。併発腎盂腎炎: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/SC q12h × 4-6週間(経口ペニシリンは絶対禁忌)。疼痛管理: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h(腎機能低下時は慎重に — 腎数値をモニタリング)。急性疼痛にブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg SC q6-8h。GI stasis予防: チモシー牧草自由摂食、食欲不振時は強制給餌。腎数値(BUN、クレアチニン)、尿沈渣、超音波を2-4週毎にモニタリング。両側性水腎症は外科的緊急。参考文献: Harcourt-Brown (2002), Reavill & Lennox (2020) Vet Clin Exot Anim.
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
特発性疾患の予後は個々の症例により変動する。自然寛解する場合もあるが、慢性再発性の経過をたどることもある。対症療法と支持療法が治療の中心。定期的な再評価により治療方針を調整する。
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