← トップへ戻る
犬 (Dog) 呼吸器 中等度

喉頭麻痺-多発神経障害複合(GOLPP)

Laryngeal Paralysis-Polyneuropathy Complex (GOLPP) / 喉頭麻痺-多発神経障害複合(GOLPP)

概要

老齢発症の多発神経障害で、喉頭麻痺と進行性後肢虚弱を呈します。

主な症状

呼吸困難 過度のパンティング 跛行(左後肢) 跛行(右後肢) こわばり

原因

呼吸器疾患の原因には感染性因子(ウイルス・細菌・真菌・寄生虫)、アレルギー性炎症、異物吸引、腫瘍性病変、解剖学的異常(短頭種気道症候群等)、環境中の刺激物質への慢性的曝露が含まれる。気道粘膜の防御機構の破綻と炎症カスケードの活性化が病態形成の中心であり、進行すると換気障害とガス交換異常を引き起こす。

病態生理

呼吸器疾患の病態生理は換気障害とガス交換異常に集約される。気道狭窄では気流制限により呼吸仕事量が増大する。肺実質疾患では肺胞-毛細血管膜の障害によりガス拡散が低下し、換気血流不均衡が低酸素血症を引き起こす。炎症性気道疾患では粘膜浮腫・粘液過分泌・気管支痙攣が気道内腔を狭小化する。肺高血圧は右心負荷の増大と右心不全に至る重大な合併症である。

治療

老齢性喉頭麻痺-多発性神経障害複合体。進行性の全身性神経変性疾患の一部。外科治療(喉頭麻痺に対して): 片側披裂軟骨側方化術(unilateral arytenoid lateralization = tie-back)。 — 左側が標準。喉頭開口を永続的に拡大。 — 術後誤嚥性肺炎リスク18-33%(最大の合併症)。 両側tie-backは誤嚥リスク極めて高く非推奨。内科管理: 体重管理(肥満 → 呼吸負荷増大)。 高温多湿の回避(熱中症リスク極めて高い)。 ハーネス使用(首輪 → 喉頭圧迫回避)。 誤嚥予防: 直立位給餌、泥水/プールへの顔面浸漬回避。 ミートボール形状の食事(飲水時の誤嚥が最多)。急性呼吸困難時: 酸素療法、鎮静(ブトルファノール0.2 mg/kg IV)、 デキサメタゾン0.1-0.2 mg/kg IV(喉頭浮腫軽減)、冷却。GOLPP進行: 後肢機能低下 → 起立困難 → 食道機能低下 → 巨大食道。 進行は数ヶ月〜数年(緩徐)。好発: ラブラドール、ゴールデン(高齢犬 — 10歳以上)。予後: tie-back後1年生存率>90%。誤嚥性肺炎が主要死因。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • Relax & CBD (フルスペクトラムCBD): 慢性疼痛・不安・難治性てんかん・緩和ケア ※Relax & CBD: 肝代謝(CYP450)薬物相互作用に注意

予防

適切な換気と清潔な空気環境の維持が基本的予防策である。ワクチネーションによる呼吸器感染症の予防、喫煙環境からの隔離、粉塵・刺激性ガスへの曝露回避が重要である。短頭種では過度の暑熱環境回避と体重管理が呼吸器への負担軽減に不可欠である。過密飼育の回避と適切な温湿度管理により感染性呼吸器疾患の発生リスクを低減できる。

予後

予後は原疾患の種類、重症度、治療への反応性に大きく依存する。感染性呼吸器疾患の多くは適切な治療により良好な転帰を示す。慢性呼吸器疾患(慢性気管支炎・猫喘息等)は長期管理が必要であるが、生活の質の維持は十分に可能である。進行性の肺線維症や重度の気道狭窄では予後不良となりうる。早期診断と適切な治療介入が呼吸機能の温存に重要である。

関連する薬品

💊 ブトルファノール 💊 デキサメタゾン 💊 アセプロマジン

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

呼吸器の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

マダニ麻痺 (共通4症状) 多発性根神経炎(クーンハウンド麻痺) (共通4症状) 犬急性特発性多発性神経根炎 (共通4症状) うっ血性心不全(CHF) (共通3症状) 変形性関節症 (共通3症状) 股関節形成不全 (共通3症状) 犬糸状虫症(フィラリア症) (共通3症状) 短頭種気道症候群(BAS) (共通3症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。