横隔膜ヘルニア
概要
横隔膜欠損から腹腔臓器(肝臓・胃・腸管・脾臓)が胸腔内に脱出→肺圧排→換気障害。外傷性が最多。
主な症状
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臨床徴候
犬における横隔膜ヘルニアの臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。
原因
外傷性(交通事故・落下)85-90%、先天性(PPDH・胸膜腹膜ヘルニア)、医原性(術後)。PPDHはワイマラナーに素因あり。
病態生理
外傷性(最多):交通事故・落下→横隔膜破裂→腹腔臓器(肝臓・胃・腸管・脾臓)の胸腔内脱出→肺圧排→換気障害→呼吸窮迫。先天性(PPDH)は心嚢と腹腔が交通。胃の胸腔内嵌頓→GDV様の急性虚血→致死的。慢性例は無症状で偶然発見されることもある。
診断
胸部X線で心臓シルエットの消失・腹腔臓器の胸腔内描出を確認。ガス含有腸管ループの胸腔内影。造影X線で消化管の胸腔内逸脱を確認。超音波で肝臓・消化管の胸腔内存在を評価。動脈血ガスで低酸素血症・高CO₂血症。CBC/生化学で全身状態を評価。外傷性(最多)vs先天性(腹膜心膜横隔膜ヘルニア: PPDH)を鑑別。安定化後に外科的整復。
治療
即座に酸素補給。患側を下にした体位(健側肺の換気を確保)。テンションニューモソラックス・胸水:胸腔穿刺。慢性ヘルニアは12-24時間安定化後に手術(癒着のため)。横隔膜修復術(ポリジオキサノン水平マットレス縫合)。術後胸腔ドレーン(陰圧回復)。慢性症例の過剰輸液禁忌(再拡張性肺水腫):晶質液制限、コロイド液優先。
予防
交通事故予防(リード装着)。先天性ヘルニアリスク犬種の早期レントゲン検診。
予後
胃絞扼前の手術で予後は良好(生存率85-90%)。胃絞扼・腹腔汚染合併では慎重(50-70%)。先天性PPDHは早期手術で予後良好。
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