変性性脊髄症(DM)
概要
脊髄の進行性変性疾患です。後肢の協調運動と筋力が徐々に低下します。治療法はありません。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます
原因
加齢性の進行性神経変性疾患で、多くがSOD1遺伝子変異と関連する(ジャーマン・シェパード、ウェルシュ・コーギー、ボクサー、ローデシアン・リッジバック等に好発)。ヒトの筋萎縮性側索硬化症(ALS)に類似し、中高齢で発症する。
病態生理
脊髄白質(特に胸腰部の上行・下行伝導路)の軸索変性と脱髄が緩徐に進行する。SOD1変異による酸化ストレスと異常蛋白の凝集が病態に関与すると考えられる。臨床的には左右非対称に始まる無痛性の後肢固有受容性失調・不全麻痺から、上位運動ニューロン徴候を伴う進行性の対麻痺、最終的に前肢・呼吸筋へ波及する。疼痛を欠く点が椎間板疾患との重要な鑑別点であり、除外診断と遺伝子検査で支持される。
治療
根治療法なし。SOD1遺伝子変異(常染色体劣性)。好発: ジャーマンシェパード、ウェルシュコーギー、ボクサー。理学療法(進行遅延に最も有効): 水中トレッドミル週3-5回、バランスボード、ROM(関節可動域)運動、 マッサージ、神経筋電気刺激(NMES)。補助器具: 後肢サポートハーネス(早期)、車椅子(後肢麻痺進行時)。 ブーツ/ソックス(ナックリング — 爪摩耗予防)。褥瘡予防: 低反発マット、定期的な体位変換。失禁管理: おむつ、膀胱の手圧排(必要時)。サプリメント: ビタミンE/C、EPA/DHA(エビデンス限定的)。QOL評価: 飼い主と定期的にQOLスケール(Lap of Love等)で評価。予後: 進行性。発症から起立不能まで6-12ヶ月。治癒不可。遺伝子検査: 繁殖プログラムでのスクリーニング推奨。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート。BCAA(分岐鎖アミノ酸)が筋蛋白合成を促進+MSMが結合組織の修復をサポート。術後回復、骨折治癒、CKD/肝疾患の筋肉量維持、競走馬・スポーツ犬の運動器サポートに • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化。NMN 5000mgがNAD+産生を促進→ミトコンドリア機能改善+サーチュイン(SIRT1-7)活性化。認知機能低下(CDS)、変性性脊髄症、慢性代謝疾患(糖尿病/クッシング)、加齢性臓器機能低下のサポートに • Relax & CBD (フルスペクトラムCBD): 慢性疼痛・不安・難治性てんかん・緩和ケア。フルスペクトラムCBDがECS(エンドカンナビノイドシステム)のCB1/CB2受容体に作用→抗炎症・抗不安・抗けいれん。変形性関節症の疼痛、分離不安・騒音恐怖症、難治性てんかんの発作頻度低減、終末期QOL改善に ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※Relax & CBD: 肝代謝(CYP450)薬物相互作用に注意
予防
犬における変性性脊髄症(DM)の予防は原因病態によって異なる。感染性脳炎: 適切なワクチネーション(特に狂犬病・ジステンパー・FIP予防)と媒介動物制御。特発性てんかん: 遺伝性素因品種の繁殖管理。認知機能不全症候群: 知的刺激の提供、適度な運動、抗酸化サプリメント、SAMe等の補完療法。外傷性脳脊髄損傷: 交通事故・落下事故予防、適切な飼育環境。中毒予防: 環境管理。
予後
犬における変性性脊髄症(DM)の予後は神経学的重症度により異なり、深部痛覚が温存されていれば外科的予後良好、消失例は予後不良。
神経の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。