← トップへ戻る
犬 (Dog) 感染症 軽度

ヒストプラズマ症

Histoplasmosis / ヒストプラズマ症

概要

汚染土壌から感染する真菌症で、呼吸器と消化器に病変を引き起こします。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

臨床徴候

犬におけるヒストプラズマ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。

原因

犬のヒストプラズマ症は二形性真菌 Histoplasma capsulatum の分生子吸入による。鳥・コウモリの糞で富栄養化した土壌が感染源となる。

病態生理

吸入後に酵母型へ転換し、マクロファージ内で増殖して細網内皮系(肺・消化管・肝脾・骨髄)に播種する。肉芽腫性炎症により慢性の消耗・下痢・呼吸器症状・汎血球減少を起こす。

診断

慢性下痢(大腸性)、体重減少、発熱、肝脾腫、貧血で疑診。肺型は咳・呼吸困難。直腸掻爬/結腸生検の細胞学: マクロファージ内に2-4μmの小型酵母(Histoplasma capsulatum)を検出。FNA(リンパ節、肝臓、脾臓、骨髄)でも検出可能。尿中/血清中Histoplasma抗原検査(EIA)で迅速診断。胸部X線でびまん性間質パターン。北米オハイオ/ミシシッピ渓谷の流行地域。日本では稀だが輸入症例に注意。

治療

【犬におけるヒストプラズマ症】 ヒストプラズマ症は犬における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は犬専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 具体的な薬剤目安: Itraconazole 5 mg/kg PO、Fluconazole 5 mg/kg PO、complex 1 mg/kg IV。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。

予防

犬におけるヒストプラズマ症の予防は感染源との接触回避と環境管理が中心。皮膚糸状菌症: 感染動物・汚染環境(グルーミング用品・カーペット・寝具)との接触回避、新規導入動物のWood lamp検査と培養スクリーニング。深在性真菌症: 流行地での過剰な土壌粉塵曝露回避(猟犬・農用動物)、地理的リスク評価。カンジダ/マラセチアの日和見感染予防には基礎疾患(内分泌異常・免疫抑制)の適切な管理と長期抗菌薬使用の慎重な評価が重要。

予後

犬におけるヒストプラズマ症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。

関連する薬品

💊 イトラコナゾール 💊 フルコナゾール 💊 アムホテリシンB 💊 ブプレノルフィン 💊 メサドン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

感染症の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

ブラストミセス症 (共通5症状) プロトテカ症 (共通5症状) コクシジオイデス症(渓谷熱) (共通4症状) 犬住血吸虫症 (共通4症状) ピシウム症 (共通4症状) ボーダー・コリー好中球封入症候群 (共通4症状) 犬パルボウイルス感染症 (共通3症状) 犬ジステンパー (共通3症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。