アスペルギルス症
概要
主に鼻腔を侵す真菌感染症で、慢性の鼻汁と痛みを引き起こします。
主な症状
原因
Aspergillus属(主にA. fumigatus、A. niger)の胞子吸入が原因である。環境中に広く存在する日和見真菌であり、免疫抑制状態、長期抗菌薬使用による菌交代現象、ビタミンA欠乏、ストレス、不適切な換気による胞子濃度の上昇が発症リスクを高める。鳥類では気嚢システムが感染拡大の場となる。
病態生理
真菌感染の病態生理は真菌の組織侵入と宿主免疫応答の相互作用に基づく。真菌細胞壁成分(β-グルカン・マンナン)がパターン認識受容体を介して自然免疫を活��化する。糸状菌は菌糸伸長により組織を物理的に破壊し、プロテアーゼ分泌により細胞外マトリックスを分解する。宿主の防御には好中球とマクロファージによる貪食、Th1/Th17応答が中心的役割を果たす。免疫抑制状態では防御機構の破綻により日和見感染が成立する。
治療
Dogにおけるアスペルギルス症の治療には全身性抗真菌薬療法が必要である。アゾール系抗真菌薬(フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール)またはアムホテリシンBが菌種と重症度に応じて使用される。治療期間は完全な除菌のため通常長期間(数週間〜数ヶ月)を要する。表在性感染には局所抗真菌剤を併用する。環境消毒により再感染リスクを低減する。長期アゾール療法中は肝機能をモニタリングする。
予防
清潔で乾燥した飼育環境の維持が基本的予防策である。感染動物との直接接触の回避、汚染された環境の徹底的な消毒、過密飼育の回避が重要である。免疫抑制状態にある動物では特に注意が必要であり、長期ステロイド投与中は真菌感染のリスクが上昇する。新規導入動物の検疫と皮膚糸状菌培養検査の実施が集団発生の予防に有効である。
予後
予後は真菌の種類、感染部位、宿主の免疫状態、治療への反応性に依存する。表在性真菌感染は適切な抗真菌療法により予後良好であるが、深在性・全身性真菌感染では治療が長期化し予後が慎重となる。免疫抑制動物では治療反応が乏しく再発率が高い。完全な治癒には数週間から数ヶ月の継続治療が必要であり、培養陰性化の確認が治療終了の指標となる。
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