ボーダー・コリー好中球封入症候群
概要
ボーダー・コリーの常染色体劣性遺伝疾患で、好中球が過剰産生されても骨髄から出られません。
主な症状
原因
常染色体劣性遺伝。ボーダーコリーに特異的。DNA検査でキャリア同定可能。
病態生理
VPS13B遺伝子変異→好中球が骨髄から末梢血に遊走不能→重度好中球減少→反復性細菌感染→致死的(通常2〜4ヶ月齢で死亡)。
治療
好中球の骨髄からの遊出障害(Trapped Neutrophil Syndrome, TNS)。VPS13B遺伝子変異(常染色体劣性)。ボーダーコリー特異的。治療(根治不可 — 対症療法のみ): G-CSF(フィルグラスチム)5 μg/kg SC q24h — 好中球の骨髄からの動員。 — 一時的な好中球増加は得られるが、持続効果は限定的。 — 長期G-CSFに対する抗体産生 → 効果減弱の可能性。 抗菌薬: 感染時に積極的に投与(好中球減少 → 易感染性)。 — アモキシシリン/クラブラン酸、エンロフロキサシン等(培養に基づく)。 支持療法: 輸液、栄養管理。 骨髄移植: 理論的には根治的だが、犬でのエビデンスは極めて限定的。臨床症状: 反復性感染(肺炎、皮膚膿瘍、骨髄炎)、発育遅延、関節痛。 血液検査: 持続性好中球減少症(骨髄は好中球豊富 — 「trapped」)。遺伝子検査: VPS13B c.1287_1288insC — PCRベースの検査利用可能。 キャリア頻度: ボーダーコリーの10-15%。繁殖管理必須。予後: 極めて不良。多くは2歳未満で重篤な感染症により死亡。
予防
DNA検査による繁殖管理。治療法なく予後絶対不良。
予後
予後は病原体の種類、感染の重症度、宿主の免疫状態、治療開始の時期に大きく依存する。早期に適切な抗微生物療法が開始されれば多くの感染症で良好な転帰が期待できる。免疫抑制状態の動物や重度の敗血症を呈する症例では予後不良となりうる。慢性感染では完治が困難な場合があり、長期的な管理と再発防止策が必要となる。
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