ピシウム症
Pythiosis / ピシウム症
概要
水生卵菌ピシウムによる感染で消化管または皮膚疾患を引き起こし、湾岸諸州に多いです。
主な症状
血便
下痢
無気力
皮膚病変
嘔吐
体重減少
原因
P. insidiosum。温暖な停滞水(池・沼・水田)への曝露。米国湾岸諸州・東南アジア・中南米に分布。日本での報告は非常に稀。ラブラドール・ジャーマンシェパードに報告多い。
病態生理
Pythium insidiosum(真菌ではなく卵菌)の遊走子が皮膚創傷/消化管から侵入→消化管型:胃腸壁の肉芽腫性肥厚→閉塞・出血・蛋白喪失。皮膚型:潰瘍性肉芽腫→排膿性病変。従来の抗真菌薬(アゾール系・AMB)が無効(エルゴステロールを持たないため)。
治療
Pythium insidiosumによる卵菌感染症。広範囲外科切除が最も重要(GI型は腸切除、皮膚型は広範囲切除)。三剤抗真菌:テルビナフィン+イトラコナゾール+プレドニゾロン。Pythium免疫療法(immunotherapy — Pythium菌体抽出物ワクチン)は一部で効果。予後:GI型は50-70%(早期手術時)、皮膚型は切除可能なら良好。培養/PCR/ELISA/IHCで確定。好発:ラブラドール(温暖湿潤地域の水辺)。
予防
停滞水への犬の曝露回避。免疫療法(pythium vaccine)が最も有効な治療。外科的切除の併用。従来の抗真菌薬は無効。
予後
予後は真菌の種類、感染部位、宿主の免疫状態、治療への反応性に依存する。表在性真菌感染は適切な抗真菌療法により予後良好であるが、深在性・全身性真菌感染では治療が長期化し予後が慎重となる。免疫抑制動物では治療反応が乏しく再発率が高い。完全な治癒には数週間から数ヶ月の継続治療が必要であり、培養陰性化の確認が治療終了の指標となる。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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