犬住血吸虫症
概要
住血吸虫の感染により腸管と肝臓の肉芽腫性炎症を引き起こします。
主な症状
原因
Heterobilharzia americana(北米南部に分布、犬が終宿主)。淡水カタツムリ(中間宿主)から放出されたセルカリアが経皮感染。日本での報告はないが、輸入犬・海外渡航犬に注意。
病態生理
Heterobilharzia americanaのセルカリアが経皮感染→門脈系で成虫化→腸管壁・肝臓に虫卵沈着→肉芽腫性炎症→腸壁の肥厚・肝線維化→慢性出血性下痢・体重減少・高Ca血症(肉芽腫からのカルシトリオール産生)。
治療
犬住血吸虫症(Heterobilharzia americana — 北米)。淡水巻貝を中間宿主とする吸虫。病態: セルカリア(遊泳幼虫)が皮膚経由で侵入 → 門脈系に到達 → 腸管・肝に虫卵沈着。 肉芽腫性肝炎・腸炎(虫卵に対する免疫反応)。 日本ではS. japonicumが歴史的に問題(現在は希少だが輸入犬で注意)。臨床像: 慢性下痢(血便含む)、体重減少、高Ca血症(肉芽腫関連)、腹水。 肝腫大、脾腫、リンパ節腫大。診断: 糞便沈殿法: 虫卵検出(棘を有する大型卵 — 150×70 μm)。 直腸粘膜生検: 粘膜下の虫卵 + 肉芽腫。 肝生検: 門脈域の虫卵周囲肉芽腫。 血清学(抗体検査): 流行地での曝露評価。 腹部エコー: 肝エコー輝度上昇、門脈周囲エコー増強。治療: プラジカンテル25 mg/kg PO q8h × 2-3日(成虫駆除 — 第一選択)。 — 反復投与: 2-3週後に再投与(未成熟虫対策)。 フェンベンダゾール50 mg/kg PO q24h × 10-14日(補助 — 単独では不十分)。 プレドニゾロン1 mg/kg PO q24h × 2-4週(肉芽腫性炎症抑制 — 駆虫と併用)。高Ca血症管理: 生理食塩水利尿、フロセミド、ビスホスホネート(重症時)。予防: 流行地での淡水への曝露回避(湿地、池)。予後: 早期駆虫で良好。慢性肝線維化進行例では予後注意。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
流行地域の淡水への犬の曝露回避。プラジカンテル+フェンベンダゾールで治療。
予後
予後は原疾患の種類、重症度、合併症の有無、治療開始の時期に依存する。急性胃腸炎の多くは支持療法により良好な転帰を示す。消化管閉塞や捻転では緊急外科手術の成否が予後を決定する。炎症性腸疾患など慢性消化器疾患は長期的な食事管理と薬物療法により良好にコントロールできるが、寛解と再燃を繰り返す場合がある。早期の栄養サポートが回復促進に重要である。
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