歯周病
概要
歯と歯肉の進行性感染症で、犬で最も一般的な疾患です。歯の喪失や全身感染に至ることがあります。
主な症状
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臨床徴候
犬における歯周病の臨床徴候は歯科疾患の種類と進行により多様。歯周病: 口臭・歯肉発赤/腫脹・流涎・採食困難・顔面腫脹(根尖膿瘍時)。不正咬合(草食動物): 流涎・採食速度低下・選択的採食・体重減少・糞便量減少・眼球突出・顎下膿瘍。歯根破折: 採食困難・片側咀嚼・口臭。口腔腫瘍: 口腔内腫瘤・出血・流涎・口臭・採食困難。
原因
歯垢・歯石の蓄積が主因。リスク因子:小型犬(歯の過密)、短頭種、歯磨き不足、軟質食、加齢、免疫抑制。好発犬種:ダックスフンド、ヨークシャーテリア、チワワ、トイプードル。
病態生理
歯垢(細菌バイオフィルム)の蓄積→歯肉溝への嫌気性菌侵入(Porphyromonas, Prevotella等)→歯肉炎(Stage 1)→歯周靭帯・歯槽骨の破壊(Stage 2-4)→歯の動揺・脱落。菌血症により心臓・肝臓・腎臓への転移性感染のリスク。3歳以上の犬の80%以上が罹患。
診断
口腔内診察で歯肉発赤・腫脹・退縮、歯石沈着、口臭を確認。全身麻酔下でプロービング(歯周ポケット深度測定、正常<3mm)、歯の動揺度評価(Grade 0-3)。歯科X線(全顎)で歯槽骨吸収の程度・パターン(水平/垂直)を評価。Stage 1(歯肉炎)~Stage 4(骨吸収>50%+歯根露出)の4段階分類。小型犬は大型犬より進行が早い。口鼻瘻管、下顎骨折のリスク評価。
治療
犬における歯周病の治療には鎮静または麻酔下での歯科検査が必要である。不正咬合は種と重症度に応じて歯のトリミング、研磨、抜歯が必要となる。根尖膿瘍には排膿、デブリードマン、全身性抗菌薬が必要である。歯周病治療にはスケーリング、研磨、重度罹患歯の抜歯を含む。種に適した鎮痛薬による疼痛管理が不可欠である。食事の調整により回復を促進し再発を予防する。
予防
毎日の歯磨き(犬用酵素歯磨き粉)、歯科用ガム・デンタルチュー(VOHC認定製品推奨)、年1回の麻酔下歯科スケーリング、歯科用処方食。
予後
Stage 1-2は適切な歯科処置で管理可能。Stage 3-4は抜歯が必要だが術後のQOLは良好。無治療では疼痛・菌血症による全身合併症のリスク。
関連する薬品
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