← トップへ戻る
犬 (Dog) 感染症 軽度

口腔乳頭腫症

Oral Papillomatosis / 口腔乳頭腫症

概要

犬パピローマウイルスによる口腔内のイボ状腫瘤で、若い犬に最も多く見られます。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

原因

犬パピローマウイルス1型(CPV-1)。感染犬との直接接触・汚染物(共有の水飲み・玩具)経由。潜伏期間1〜2ヶ月。免疫未成熟な若齢犬(2歳未満)に好発。免疫抑制犬では退縮せず持続・悪性化のリスク。

病態生理

犬パピローマウイルス(CPV-1)の口腔粘膜感染→基底上皮細胞でのウイルス増殖→乳頭状(カリフラワー様)の良性腫瘤形成。口唇・舌・硬口蓋・咽頭に多発。免疫成熟に伴い細胞性免疫が誘導され1〜5ヶ月で自然退縮。大量発生時は摂食・嚥下障害。

治療

【犬における口腔乳頭腫症】 口腔乳頭腫症の治療には全身麻酔下での歯科処置が必須(無麻酔処置は不十分かつ安全性に欠ける)。 高速ダイヤモンドバーで臼歯研磨、過長切歯トリミング、犬の上下咬合バランス回復。 膿瘍合併時は外科的排膿+ドキシサイクリン 5-10 mg/kg PO q12h × 4-6週(嫌気性菌カバー)。 鎮痛: メロキシカム 0.5-1 mg/kg PO q12-24h、強オピオイド使用時はモニタ強化。 予防のため繊維質食材(チモシー、葉物野菜)を主食、咀嚼促進のためペレットを最小化。 具体的な薬剤目安: Azithromycin 10 mg/kg PO。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。

予防

感染犬との接触制限(ドッグパーク・多頭飼育環境)、免疫抑制犬の感染環境回避。免疫正常犬では自然治癒するため基本的に治療不要。重症例ではアザシチジン局所投与やインターフェロン療法を検討。

予後

免疫機能正常な若齢犬では1-5ヶ月で自然退縮し予後きわめて良好。退縮後は終生免疫が成立し再感染しない。治療は通常不要。採食・嚥下障害がある大型乳頭腫は外科的切除/凍結療法。免疫抑制犬では退縮しない場合がある→免疫抑制薬の減量を検討。自家ワクチン(切除乳頭腫のホモジネート)の使用報告はあるが標準化されていない (Nicholls PK & Stanley MA. 2000)。

関連する薬品

💊 ドキシサイクリン 💊 アジスロマイシン 💊 メロキシカム 💊 ブプレノルフィン 💊 メサドン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

感染症の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

棘細胞性エナメル上皮腫 (共通3症状) 腫瘍(がん) (共通2症状) 巨大食道症 (共通2症状) リンパ腫 (共通2症状) 肥満細胞腫(MCT) (共通2症状) メラノーマ(黒色腫) (共通2症状) 扁平上皮がん(SCC) (共通2症状) 乳腺腫瘍 (共通2症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。