視神経炎
概要
視神経の炎症で突然の失明を引き起こし、免疫介在性や感染性が原因となることが多いです。
主な症状
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臨床徴候
犬における視神経炎の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
免疫介在性(MUOスペクトラムの一部:GMEの視神経型)、感染性(CDV・Toxoplasma・Ehrlichia・Cryptococcus)、腫瘍の視神経浸潤。全犬種・全年齢で発症。片側性>両側性。突然の失明で来院。
病態生理
視神経の炎症性脱髄/軸索変性→視神経の膨化→急性の片側性/両側性失明。対光反射(PLR)の消失が特徴的(SARDSとの鑑別:SARDSでも初期PLR消失)。MRIで視神経の造影増強・肥厚。ERGは正常(SARDSではflat)が鑑別点。
診断
眼底検査で視神経乳頭の腫脹・充血、乳頭周囲出血を確認。PLR(対光反射)減弱~消失。威嚇瞬き反応陰性。MRIで視神経のT2高信号・造影増強を確認。CSF検査で単核球増多を評価。CDV PCR、トキソプラズマ/ネオスポラ抗体価、ANA等で原因精査。ERG(網膜電図)で網膜機能は保たれていることを確認(SARDS との鑑別に重要)。
治療
免疫抑制量プレドニゾロン(2 mg/kg PO q12h)で開始し、視機能回復後に4-8週かけて漸減。ステロイド不応例にはMMF(8-12 mg/kg PO q12h)またはアザチオプリン(2 mg/kg PO q24h→q48h)。基礎疾患の精査が不可欠:肉芽腫性髄膜脳脊髄炎(GME)、犬ジステンパー、全身性真菌症(ブラストミセス等)、腫瘍。MRI造影で視神経の腫大・造影増強を確認。網膜電図(ERG)で網膜機能を評価し視神経病変を区別。PLR(対光反射)消失+散瞳+威嚇瞬き反射消失が特徴的所見。GMEが基礎疾患の場合は長期免疫抑制が必要で、予後は基礎疾患に依存。
予防
基礎疾患の管理。免疫抑制療法(プレドニゾロン+アザチオプリン)で早期治療すれば視力回復の可能性あり。感染性の場合は原因微生物に対する特異的治療。
予後
犬における視神経炎の予後は病因と神経学的重症度(特に深部痛覚の有無)により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
関連する薬品
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