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犬 (Dog) 軽度

前庭疾患

Vestibular Disease / 前庭疾患

概要

末梢性(内耳/前庭神経)または中枢性(脳幹/小脳)の前庭系障害。特発性(老齢性)前庭疾患が最も多く、高齢犬に突然発症する。斜頸、眼振、運動失調、嘔吐が特徴的。脳卒中と間違われやすい。

主な症状

anxiety circling head tilting lethargy vomiting

原因

末梢性:特発性(老齢犬、最多)、中耳炎/内耳炎、甲状腺機能低下症、耳毒性薬物。中枢性:脳腫瘍、脳炎(GME等)、脳血管障害(脳梗塞・出血)、外傷。特発性前庭疾患は高齢犬(12歳以上)に好発。

病態生理

末梢性:内耳の前庭器官または前庭神経の障害→一側性の斜頸・水平眼振(患側向き速相)。特発性:原因不明の急性一側性前庭機能障害(ウイルス性前庭神経炎が推測されている)。中枢性:脳幹の前庭核障害→垂直眼振・方向変換眼振・固有位置感覚障害→意識レベル変化。末梢性と中枢性の鑑別が臨床的に極めて重要。

治療

特発性前庭疾患:対症療法(制吐薬マロピタント、ジアゼパム短期間で過度の不安に対して)。多くは2〜3週間で自然改善。支持療法(補助歩行、スリップ防止マット、給餌補助)。中耳炎性:抗菌薬長期投与(4〜6週間)±手術(TECA-LBO)。中枢性:原因に応じた治療(脳腫瘍→ステロイド/化学療法/放射線、脳炎→免疫抑制療法)。

予防

特発性は予防法なし。中耳炎予防のための耳の定期管理。甲状腺機能低下症の適切な管理。

予後

特発性前庭疾患:予後良好。72時間で改善開始、2〜3週間でほぼ回復。軽度の恒常的斜頸が残る場合があるが、QOLへの影響は少ない。中枢性:原因による。脳腫瘍の場合は予後不良。

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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
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