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犬 (Dog) 軽度

特発性てんかん

Epilepsy / 特発性てんかん

概要

6ヶ月〜6歳で初発する反復性けいれん発作を特徴とする脳の機能性障害。構造的・代謝的原因が除外された場合に診断。犬のてんかんの約60%を占める。ボーダーコリー、ジャーマンシェパード、ラブラドール、ビーグル、ゴールデンレトリバーに好発。

主な症状

anxiety circling lethargy seizures

原因

特発性(遺伝性、最多):多くの犬種で遺伝的背景が示唆されている。構造的原因(脳腫瘍、脳炎、外傷、水頭症)や代謝性原因(低血糖、肝性脳症、電解質異常)を除外した上で診断。

病態生理

大脳皮質ニューロンの過剰同期性発火→発作。興奮性(グルタミン酸)と抑制性(GABA)の神経伝達物質のバランス異常が基盤。全般性発作(意識消失・全身強直間代性)と焦点性発作(局所的筋攣縮、意識変容)に分類。発作後期(postictal phase)に一時的な失明、徘徊、攻撃性が見られることがある。

治療

抗てんかん薬による生涯管理:フェノバルビタール(2.5〜5mg/kg BID、第一選択)、臭化カリウム(20〜40mg/kg/日、単独or併用)、レベチラセタム(20mg/kg TID、新規薬)。血中薬物濃度モニタリング(フェノバルビタール15〜40μg/mL)。重積発作:ジアゼパム0.5〜1mg/kg IV/IR→レベチラセタム負荷→フェノバルビタールCRI(必要時)。肝機能の定期検査(フェノバルビタール使用時)。

予防

確立された予防法なし。好発品種での遺伝的スクリーニングの研究が進行中。発作の誘発因子(ストレス、睡眠不足、過度の興奮)の回避。

予後

適切な抗てんかん薬で60〜70%の犬が発作の良好なコントロールを達成。薬剤抵抗性てんかん(30〜40%)は予後が劣る。重積発作や群発発作の反復は予後不良因子。中央生存期間は治療反応犬で2〜5年。

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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
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