腸リンパ管拡張症
概要
腸リンパ管の拡張により蛋白漏出性腸症を引き起こします。
主な症状
原因
一次性(ヨークシャーテリア)。二次性:IBD・腸リンパ腫・右心不全。内視鏡生検で拡張リンパ管を確認。
病態生理
腸粘膜リンパ管の拡張→リンパ液の腸管内漏出→PLE(低アルブミン血症→腹水)、リンパ球減少、低Ca血症。一次性(先天性)と二次性(IBD・腫瘍)に分類。ヨークシャーテリアに最も好発。
治療
蛋白漏出性腸症(PLE)の重要な原因。超低脂肪食が治療の基盤(脂肪<15% DM)。処方食:Hill's i/d Low Fat、Royal Canin Gastrointestinal Low Fat。中鎖脂肪酸(MCT oil)の補給 — リンパ管を経由せず吸収。免疫抑制療法:プレドニゾロン(2 mg/kg PO q24h漸減 — 炎症性成分の管理)。ブデソニド(3 mg/m² PO q24h — 局所ステロイド、全身性副作用少ない)が代替。重度低アルブミン血症(<1.5 g/dL):合成コロイド(ヘタスターチ)または新鮮凍結血漿。血栓予防:低アルブミン血症ではアンチトロンビン消失 — クロピドグレル(1-2 mg/kg PO q24h)。サプリメント:コバラミン(B12)補充(250-1000 μg SC q7d→q14d→q28d)。モニタリング:血清アルブミン、体重、便性状を2-4週ごと。予後:管理可能だが生涯食事管理が必要。アルブミン反応が予後指標。好発犬種:ヨーキー、マルチーズ、ノルウェージャンルンデフンド。参考文献: Dossin O & Lavoué R. Vet Clin North Am 2011; Simmerson SM et al. JVIM 2014.
予防
超低脂肪食+MCTオイルが管理の柱。重症例はプレドニゾロン併用。
予後
予後は原疾患の種類、重症度、合併症の有無、治療開始の時期に依存する。急性胃腸炎の多くは支持療法により良好な転帰を示す。消化管閉塞や捻転では緊急外科手術の成否が予後を決定する。炎症性腸疾患など慢性消化器疾患は長期的な食事管理と薬物療法により良好にコントロールできるが、寛解と再燃を繰り返す場合がある。早期の栄養サポートが回復促進に重要である。
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