リンパ管拡張症
概要
腸リンパ管の拡張による蛋白漏出性腸症と吸収不良を引き起こします。
主な症状
原因
一次性(先天性リンパ管異常):ヨークシャーテリアに最も好発。二次性:IBD・腸リンパ腫・右心不全(リンパ還流障害)。内視鏡生検で拡張したリンパ管を確認。
病態生理
腸粘膜リンパ管の拡張→リンパ液(蛋白・脂肪・リンパ球を含む)の腸管内腔への漏出→PLE(低アルブミン血症→腹水・胸水)、低Ca血症、リンパ球減少、低コレステロール血症。一次性(先天性リンパ管異常)と二次性(IBD・腫瘍による閉塞)に分類。
治療
超低脂肪食(脂肪含有量<10-15% DM)が治療の基本で、リンパ管圧を軽減し蛋白漏出を抑制。MCTオイル(中鎖脂肪酸)は門脈経由で吸収されリンパ管を迂回するため補充カロリー源として使用。プレドニゾロン(1-2 mg/kg PO q24h→漸減)で腸管炎症を抑制。低アルブミン血症(<1.5 g/dL)では血栓塞栓症リスクが高いため、クロピドグレル(2 mg/kg PO q24h)+低分子ヘパリンで抗血栓療法。コバラミン(250-1000 μg SC weekly)欠乏を補正。内視鏡的十二指腸生検で白色絨毛(拡張リンパ管)確認、全層生検がより正確。好発:ヨークシャーテリア。PLEの他の原因(IBD、リンパ腫)の除外が重要。
予防
確実な予防法はない。超低脂肪食(脂肪<10%)+MCTオイル(リンパ管を経由せず門脈から吸収)が管理の柱。重症例はプレドニゾロン併用。
予後
予後は原疾患の種類、重症度、合併症の有無、治療開始の時期に依存する。急性胃腸炎の多くは支持療法により良好な転帰を示す。消化管閉塞や捻転では緊急外科手術の成否が予後を決定する。炎症性腸疾患など慢性消化器疾患は長期的な食事管理と薬物療法により良好にコントロールできるが、寛解と再燃を繰り返す場合がある。早期の栄養サポートが回復促進に重要である。
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