免疫介在性髄膜炎
概要
免疫調節障害による非感染性髄膜炎で、頸部痛と発熱を引き起こします。
主な症状
原因
原因不明の免疫介在性。SRMA(最も一般的な犬の免疫介在性髄膜炎)と重複する概念。若齢犬に好発。ビーグル・バーニーズに多い。
病態生理
髄膜への免疫細胞浸潤→無菌性髄膜炎→頸部硬直・激しい疼痛・高熱。SRMAと同スペクトラムの疾患。CSF解析で好中球性/リンパ球性多細胞症。細菌培養陰性が免疫介在性の根拠。
治療
ステロイド反応性髄膜炎-動脈炎(SRMA)。若齢大型犬に好発(バーニーズ、ビーグル、ボクサー)。病態: 髄膜血管の免疫介在性壊死性血管炎 → CSF好中球性炎症。臨床像: 急性型: 発熱(39.5-41℃)、重度頚部痛(頭部挙上拒否、首の硬直)、 嗜眠、食欲廃絶。神経学的deficitsは通常なし(髄膜のみ — 実質障害なし)。 慢性型(不適切治療後の再発): 頸部痛持続、稀に運動失調。診断: CSF(大槽 or 腰椎穿刺): 好中球性pleocytosis(>100/μL — 急性)、蛋白上昇。 — 慢性型ではリンパ球性-混合性。 IgA上昇(CSF + 血清 — SRMAに特徴的 — >50 μg/dL)。 CRP/SAA著明上昇(炎症マーカー — 治療反応のモニタリングに有用)。 CBC: 好中球増加、左方移動。 MRI: 髄膜造影増強(meningeal enhancement — 必須ではないが鑑別に有用)。 鑑別: GME、NME、感染性髄膜炎、椎間板ヘルニア、頚椎不安定症。治療(長期免疫抑制 — SRMA治療プロトコル): プレドニゾロン4 mg/kg PO q24h × 2日 → 2 mg/kg PO q24h × 4-6週。 → 1 mg/kg q24h × 6-8週 → 0.5 mg/kg q48h × 6-8週 → 中止。 — 総治療期間: 最低6ヶ月(多くは9-12ヶ月)。 急速減量は再発の最大リスク → CRP/SAA正常化を確認しつつ漸減。 再発時: プレドニゾロン再開 + シタラビン(Ara-C)50 mg/m² SC q12h × 2日、q3-4週。 代替: アザチオプリン2 mg/kg PO q24h(ステロイド節減 — 再発例)。 シクロスポリン5 mg/kg PO q12h(難治例)。モニタ: CRP/CSF分析を漸減前に確認(3-6ヶ月毎)。予後: 良好(80-90%が寛解達成)。再発率20-30%(不十分な治療期間が主因)。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート
予防
ステロイド療法で予後良好。プレドニゾロン2mg/kg→6ヶ月以上の漸減が標準。
予後
予後は罹患臓器、疾患の重症度、治療への反応性により異なる。多くの自己免疫疾患は免疫抑制療法により寛解導入が可能であるが、完治は稀であり生涯にわたる管理が必要となることが多い。再燃のリスクは常に存在し、薬物の漸減過程で注意深いモニタリングが不可欠である。早期の積極的治療介入が臓器障害の不可逆的進行を防止する。
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