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犬 (Dog) 筋骨格 中等度

特発性免疫介在性筋炎

Idiopathic Immune-Mediated Myositis / 特発性免疫介在性筋炎

概要

免疫介在性の全身性筋炎で、びまん性筋痛と虚弱を引き起こします。

主な症状

発熱 無気力 触ると痛がる 動きたがらない こわばり

原因

免疫寛容の破綻により自己抗原に対する異常な免疫応答が惹起され、自己抗体や自己反応性T細胞が正常な組織を攻撃し破壊する。遺伝的素因、感染症による分子擬態、薬物投与、紫外線曝露、ホルモン変動が主要な誘因となる。MHC遺伝子多型が疾患感受性に強く関与し、特定の品種や雌性個体に好発する傾向が顕著に認められる。

病態生理

免疫寛容の破綻により自己反応性リンパ球が活性化し、正常組織を攻撃する。II型過敏反応では自己抗体が細胞表面抗原に結合し補体依存性溶解やADCCを惹起する。III型では免疫複合体が血管壁や組織に沈着し炎症を誘導する。IV型ではCD4+/CD8+ T細胞が直接的な組織破壊を引き起こす。��性炎症によるエピトープスプレッディングが標的臓器の拡大と疾患の進行を促進する。

治療

特発性免疫介在性筋炎。2型筋線維に対する自己抗体が関与。タイプ: 咀嚼筋炎(MMM: masticatory muscle myositis — 2M筋線維特異抗体)。 多発性筋炎(polymyositis — 全身性)。 皮膚筋炎(dermatomyositis — シェルティ、コリー)。臨床像: MMM: 開口障害(trismus — 最も特徴的)、咀嚼筋腫脹(急性)→ 萎縮(慢性)。 多発性筋炎: 四肢硬直歩行、運動不耐性、嚥下困難、発声変化。 全身性: 発熱、筋痛、体重減少。診断: CK: 著明上昇(>5,000 IU/L — 活動期)。 2M抗体検査(MMM — 確定診断): UCSD Comparative Neuromuscular Lab。 ANA(多発性筋炎ではSLE除外のため)。 筋生検: リンパ球浸潤、筋線維壊死・再生、線維化(慢性)。 EMG: 自発活動(fibrillation potentials, positive sharp waves)。治療(免疫抑制 — 長期): プレドニゾロン2 mg/kg PO q12h × 4週 → 漸減(0.5 mg/kg q48hまで6-12ヶ月)。 — CK正常化+症状消失を確認しつつ漸減(急速減量 → 再発)。 ステロイド節減: アザチオプリン2 mg/kg PO q24h × 2週 → q48h。 — CBC毎2週モニタ(骨髄抑制 — 好中球<3,000で減量/中止)。 代替: ミコフェノール酸モフェチル10-20 mg/kg PO q12h(アザチオプリン不耐時)。 シクロスポリン5 mg/kg PO q12h(難治例)。 MMM急性期: 開口不能 → 経鼻栄養 or 胃瘻、疼痛管理。リハビリ: 関節可動域訓練(萎縮・拘縮予防)、温熱療法。予後: 早期治療で良好(70-80%寛解)。慢性化・線維化後は回復限定的。MMM — 開口障害残存例あり。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意

予防

遺伝的素因を持つ品種では繁殖前スクリーニングが推奨される。確実な一次予防法は確立されていないが、不必要な薬物投与の回避、過度の紫外線曝露回避、適切なワクチネーション間隔の遵守、ストレス軽減が発症リスクの低減に寄与する可能性がある。早期発見のための定期的な血液検査と臨床モニタリングが重篤な臓器障害の予防に重要である。

予後

予後は罹患臓器、疾患の重症度、治療への反応性により異なる。多くの自己免疫疾患は免疫抑制療法により寛解導入が可能であるが、完治は稀であり生涯にわたる管理が必要となることが多い。再燃のリスクは常に存在し、薬物の漸減過程で注意深いモニタリングが不可欠である。早期の積極的治療介入が臓器障害の不可逆的進行を防止する。

関連する薬品

💊 プレドニゾロン 💊 アザチオプリン 💊 ミコフェノール酸モフェチル

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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