肝リピドーシス
概要
肝臓への過剰な脂肪蓄積で肝機能障害を引き起こし、他の疾患に続発することが多いです。
主な症状
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臨床徴候
犬における肝リピドーシスの臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。
原因
二次性が大部分:糖尿病、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、ステロイド長期投与、肥満。猫のような食欲廃絶による一次性リピドーシスは犬では稀。基礎疾患の精査が不可欠。
病態生理
肝細胞内への過剰な脂肪蓄積→肝細胞の膨化・機能障害→胆汁うっ滞→黄疸。犬では猫と異なり一次性肝リピドーシスは稀で、ほぼ常に基礎疾患(DM、クッシング、甲状腺機能低下症、膵炎)に続発する。肥満犬にリスク。
診断
血液検査でALP/ALT/GGT上昇、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症を確認。腹部超音波で肝臓のびまん性高エコー化(diffuse hyperechogenicity)を確認。超音波ガイド下FNA/生検で肝細胞内の脂肪空胞沈着を確認(Oil Red O染色)。基礎疾患の精査: 糖尿病、クッシング、甲状腺機能低下症、膵炎。体重減少歴・食欲不振の確認。
治療
犬肝リピドーシス: 原因(感染性・中毒・免疫介在性・腫瘍・代謝)特定が治療方針を決定。① 検査: CBC・生化学(ALT/AST/ALP/GGT/T-Bil/Alb)、胆汁酸負荷試験、凝固系(PT/aPTT)、超音波、肝生検(細胞診/組織学/培養)。② 原因別治療: 細菌→培養に基づく抗菌薬4-6週、寄生虫→駆虫、ウイルス→支持療法、免疫介在性→プレドニゾロン 1-2 mg/kg PO q12h漸減、薬剤性→暴露除去。③ 肝庇護: ウルソデオキシコール酸 10-15 mg/kg PO q24h、SAMe 20 mg/kg PO q24h(空腹時)、シリマリン 4-15 mg/kg PO q24h、ビタミンE 10-15 IU/kg PO q24h。④ 栄養: 高品質中等量蛋白、十分なカロリー(脂肪は耐容性で調整)、ビタミンK1補充。⑤ モニタ: 肝酵素 q2-4週、Alb・凝固系、必要なら肝生検でstaging。支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。
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予防
基礎疾患(DM・クッシング等)の適切な管理。肥満の予防。ステロイドの最小有効用量での使用。
予後
犬における肝リピドーシスの予後はホルモン・代謝異常の種類と是正の可否、合併症の有無により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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