タマネギ・ニンニク中毒
概要
アリウム属(タマネギ・ニンニク・ネギ・チャイブ)の有機硫黄化合物が酸化的溶血性貧血を引き起こす。ニンニクはタマネギの3-5倍の毒性。加熱・乾燥後も毒性維持。日本犬(柴犬・秋田犬)は感受性高い。Heinz小体形成→溶血は摂取後1-5日で発現。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるタマネギ・ニンニク中毒(ネギ属中毒)の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
タマネギ・ニンニク・ネギ(生・加熱・粉末・乾燥すべて有毒)。離乳食・調味料・アジア料理に含まれる粉末も危険。少量の繰り返し摂取でも蓄積毒性。
病態生理
有機硫黄化合物→肝代謝→反応性酸化物→RBCグルタチオン系枯渇→ハインツ小体形成(変性ヘモグロビン沈着)→脾臓での細胞外溶血→溶血性貧血+メトヘモグロビン血症。
診断
ネギ属(タマネギ、ニンニク、ニラ、長ネギ)の摂取歴。中毒量: 体重の0.5%以上。摂取1-5日後にハインツ小体性溶血性貧血。CBC: 貧血(PCV低下)、網赤血球増加。血液塗抹: ハインツ小体(新メチレンブルー染色)、偏心細胞(eccentrocyte)が特徴的。生化学: 高ビリルビン血症、ヘモグロビン尿/血色素尿。n-プロピルジスルフィド/チオスルフィン酸がRBCの酸化障害を引き起こす。秋田犬・柴犬は酸化的損傷に特に感受性が高い。
治療
脱汚染(催吐+活性炭)→溶血性貧血にpRBC輸血(PCV<15%)→メトヘモグロビン血症にNAC 140 mg/kg IV+アスコルビン酸 30 mg/kg IV→酸素療法。点滴で腎保護。SpO2はMetHbで偽正常→コオキシメトリー使用。
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予防
タマネギ・ニンニク・ネギ類を犬から完全に除去。離乳食・市販おやつの成分表示確認。日本犬種は特に厳格に管理。
予後
早期脱汚染で良好。重篤な溶血性貧血では慎重。Heinz小体貧血は摂取後1-5日でピーク、2-3週で回復。日本犬種は少量で重篤化しうる。
関連する薬品
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