食糞症
概要
自分・他犬・他種(猫のトイレ砂・家畜)の糞を食べる行動。特に子犬では正常または行動的パターンであることが多く、母犬が新生子を世話する際の正常行動でもある。一方で、空腹や吸収不良を来す食事・疾患(膵外分泌不全、腸内寄生虫、炎症性腸疾患、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、消化性の低い食事)に続発することもある。主な問題は直接的な害よりも寄生虫・病原体の伝播と飼い主の忌避感である。
主な症状
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原因
行動性:探索・注意獲得行動、退屈、ストレス、罰後の隠蔽の学習、嗜好性の高い糞。食事性:給餌不足、高脂肪・低消化性食。医学的(食欲増大または吸収低下):膵外分泌不全、腸内寄生虫、炎症性腸疾患・吸収不良、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、食欲刺激薬(グルココルチコイド)。授乳中の母犬では正常で、子犬でよくみられる。
病態生理
多くの場合、食糞は疾患ではなく正常な探索・摂食行動または学習された習慣である。続発性の場合の機序は、空腹衝動の増大(膵外分泌不全・糖尿病・副腎皮質機能亢進症・給餌不足)か、消化不良で栄養に富む糞の存在(消化・吸収不良、高脂肪・低消化性食)で糞が嗜好性を持つことによる。ストレス・拘禁・退屈、および罰に基づくトイレ訓練(証拠を食べて隠すことを学習させる)が行動を強化する。
治療
まず医学的原因を除外・治療する(糞便の寄生虫検査、膵外分泌不全が疑われればトリプシン様免疫反応、食事の見直し、適応があれば糖尿病・副腎皮質機能亢進症のスクリーニング)。行動管理:速やかな片付けとリードでの散歩により接近を防ぐ、報酬を用いて確実な『放して』と呼び戻しを教える、退屈を減らすための環境エンリッチメントと十分な運動、消化性の良い食事を十分なカロリーで給与する。嫌悪添加物(食肉軟化剤・パイナップル・市販忌避剤)は広く使われるがエビデンスは限定的。隠蔽を悪化させる罰は避ける。
予防
糞(猫のトイレを含む)を速やかに片付ける、リスクの高い場所では監督下でリード散歩をする、消化性の良い総合食を十分量給与する、毎日の運動とエンリッチメントを提供する、罰ではなく報酬に基づくトイレ訓練を用いる。
予後
良好。子犬は通常成長とともに消失する。成犬の行動性は様々で、一貫した予防とエンリッチメントで最も改善する。医学的疾患に続発する例は原疾患の治療で軽快する。
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