銅蓄積性肝症
概要
肝臓への過剰な銅蓄積により肝炎を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
犬における銅蓄積性肝症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
遺伝性:ベドリントンテリア(COMMD1)、ラブラドール、ドーベルマン、WHWT。食事性の銅過剰も一因(高銅食の長期給餌)。肝生検で銅定量が確定診断(>400μg/g乾重量で異常)。
病態生理
銅排泄の遺伝的障害→肝細胞内への銅蓄積→フリーラジカル産生→肝細胞壊死→慢性肝炎→肝硬変。COMMD1(ベドリントンテリア)、ATP7B類似遺伝子の変異。急性の銅放出→急性溶血性発作。
診断
肝生検で肝臓銅定量>400 μg/g dry weight(正常<400)を確認。Rhodanine/rubeanic acid染色で銅沈着を視覚化。血液検査でALT/ALP上昇。進行例で低Alb、凝固障害、高ビリルビン。腹部超音波で肝臓のエコー輝度変化。慢性肝炎/肝硬変パターン。ベドリントン・テリア(COMMD1変異)、ラブラドール(ATP7A/B変異)、ドーベルマンに好発。銅キレート剤(ペニシラミン/トリエンチン)+低銅食。
治療
銅キレート剤:D-ペニシラミン 10-15 mg/kg PO q12h(空腹時)。トリエンチン 10-15 mg/kg PO q12h(代替)。銅吸収阻害:酢酸亜鉛/グルコン酸亜鉛 元素亜鉛 10 mg/kg/日 PO(メタロチオネイン誘導)。肝保護:ウルソデオキシコール酸 10-15 mg/kg/日 PO、SAMe 20 mg/kg/日、ビタミンE 10 IU/kg/日。低銅食(レバー・貝類・内臓肉回避)。肝生検 Cu>400 μg/g DWで確定診断。6-12ヶ月ごとに肝生検で銅濃度をモニタ。好発:ベドリントンテリア、ラブラドール、ドーベルマン。
予防
好発犬種のCOMMD1遺伝子検査。銅制限食(低銅+亜鉛サプリ)。D-ペニシラミン(銅キレート剤)。定期的な肝酵素・肝生検モニタリング。
予後
犬における銅蓄積性肝症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
関連する薬品
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