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犬 (Dog) 軽度

慢性腎臓病(CKD)

Kidney Disease (CKD) / 慢性腎臓病(CKD)

概要

不可逆的なネフロン喪失による進行性の腎機能低下。IRIS分類でStage 1〜4に病期分類。高齢犬に多いが、先天性腎疾患(腎異形成等)で若齢犬にも発生する。症状が顕在化するのは腎機能の75%以上が失われた時点(Stage 3以降)。

主な症状

appetite loss excessive thirst excessive urination lethargy vomiting weight loss

原因

加齢性変化(最多)、慢性糸球体腎炎、腎アミロイドーシス、先天性腎異形成、慢性腎盂腎炎、腎結石、NSAID等の腎毒性薬物、レプトスピラ症後遺症。コッカースパニエル、シーズー、ブルテリアに遺伝的素因。

病態生理

原因を問わず、ネフロンの進行性喪失→残存ネフロンの代償性過濾過→糸球体硬化→さらなるネフロン喪失の悪循環。BUN・クレアチニン上昇、リン貯留→二次性上皮小体機能亢進症→腎性骨異栄養症。尿濃縮能低下→多尿→代償性多飲。末期には尿毒症性消化器症状・貧血。

治療

根治療法なし。進行抑制と症状管理が目標。(1)腎臓療法食(低リン・低タンパク・高品質タンパク)—Stage 2以降で推奨、(2)リン吸着剤(水酸化アルミニウム、炭酸ランタン)、(3)ACE阻害薬(ベナゼプリル0.25〜0.5mg/kg SID)—タンパク尿軽減、(4)制吐薬・胃粘膜保護薬、(5)皮下輸液(在宅)、(6)エリスロポエチン(腎性貧血に対して)。SDMA値で早期診断可能。

予防

7歳以降の定期的な血液検査(BUN、Cre、SDMA)+尿検査(UPC比)。腎毒性薬物の回避。十分な飲水量の確保。

予後

IRIS Stage 2:中央生存期間1,000日以上。Stage 3:約300〜500日。Stage 4:約100〜200日。腎臓療法食による生存期間延長のエビデンスあり。タンパク尿の程度が最も重要な予後因子。

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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
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