軟骨肉腫
概要
軟骨の悪性腫瘍で、骨、鼻腔、または肋骨に発生することがあります。
主な症状
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臨床徴候
犬における軟骨肉腫の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
原因不明。大型犬に多い。中高齢犬。鼻腔発生が最多(犬の鼻腔腫瘍の10%)、次いで肋骨・骨盤。骨肉腫との鑑別は生検(軟骨基質の存在)。
病態生理
軟骨細胞由来の悪性腫瘍→局所浸潤性の増殖→骨破壊。骨肉腫に次ぐ犬で2番目に多い原発性骨腫瘍。扁平骨(鼻腔・肋骨・骨盤)に好発(骨肉腫は四肢長骨に好発で対照的)。転移率は骨肉腫より低い(20〜30%)。
診断
X線で骨溶解と骨膜反応を伴う骨腫瘤を確認。扁平骨(肋骨、鼻腔、骨盤)に好発。CT/MRIで腫瘍の範囲・軟部組織浸潤を三次元評価。CT肺転移スクリーニング。生検で軟骨基質内の異型軟骨細胞を確認。組織学的グレーディング(I-III)で予後判定。ALP上昇は予後不良因子。FNA単独では診断困難(組織生検が必要)。外科的広範切除が第一選択。
治療
【犬における軟骨肉腫】 軟骨肉腫は腫瘍の組織学的型・グレード・局在・転移有無で治療方針が大きく変わる。確定診断は針生検またはincisional biopsyで取得し、TNM分類でステージングを完了。 外科的完全切除が可能なら広範マージン外科的切除を第一選択(推奨マージン2-3cm、攻撃的肉腫・MCT高グレードは3-5cm、種・部位・組織型で調整)。 切除不能例・残存例には化学療法(プロトコルは腫瘍型別、リンパ腫はCHOP、肥満細胞腫はビンブラスチン+プレドニゾロン等)または緩和的放射線療法。 オーナーの治療希望・予算・犬のQOLを総合判断し、緩和ケア選択肢も提示する。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。
予防
確実な予防法はない。広範囲切除が治療の柱(鼻腔は放射線療法)。骨肉腫より緩徐な経過でMSTが長い(鼻腔型:放射線でMST 18〜24ヶ月)。
予後
犬における軟骨肉腫は間葉系悪性腫瘍で、局所浸潤性が高く広範切除でも局所再発しやすい。組織学的グレードと切除マージンが予後を左右し、不完全切除例では放射線療法の追加が再発抑制に有効。高悪性度・転移例(特に血管肉腫)は予後不良で、化学療法の併用を検討する。
関連する薬品
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