ハチ刺傷アナフィラキシー
概要
ハチ毒蛋白(メリチン・ホスホリパーゼA2等)へのIgE介在性I型過敏反応→全身性肥満細胞脱顆粒→血管拡張性ショック。犬はアナフィラキシーで肝静脈うっ血が特徴的(人と異なる)。
主な症状
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臨床徴候
犬における蜂刺傷アナフィラキシーの臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
膜翅目(ミツバチ・スズメバチ・アシナガバチ・クロスズメバチ)の毒。初回刺傷で感作;2回目以降のIgE介在性アナフィラキシー。多数刺傷(>20-40箇所)では感作なしでも直接毒性反応。
病態生理
蜂毒蛋白(メリチン・ホスホリパーゼA2等)に対するIgE介在性I型過敏反応→肥満細胞脱顆粒→ヒスタミン・ロイコトリエン大量放出→全身性血管拡張→低血圧性ショック。犬のアナフィラキシーは肝静脈のうっ血が特徴的(人と異なる)→肝腫大・門脈圧亢進→消化管うっ血→血性下痢。局所反応のみのことも多いが、口腔・咽頭刺傷では気道閉塞のリスク。
診断
ハチ刺傷歴+急性アナフィラキシー: 顔面腫脹(血管浮腫)、蕁麻疹、嘔吐、虚脱、循環虚脱(低血圧、頻脈、蒼白粘膜→チアノーゼ)。犬の標的臓器は肝臓・消化管。刺傷部位の確認と毒針除去。CBC: 好酸球増加(遅延型)。多数刺傷: 溶血、横紋筋融解(CK)、AKI(BUN/Cre)、DIC、肝障害(ALT/ALP)。反復曝露で感作→アナフィラキシーリスク上昇。エピネフリン即時投与が救命的。
治療
緊急。1. エピネフリン0.01-0.02 mg/kg IM(1:1000溶液)を背柱起立筋または大腿外側に(三角筋は避ける:吸収遅延);5-15分毎に繰り返し。エピネフリンは全ての病態(血管収縮・変時/変力作用・気管支拡張・肥満細胞安定化)に効果。2. IV輸液ボーラス60-90 mL/kg(MAPS >65 mmHgを目標)。3. ジフェンヒドラミン2 mg/kg IM/IV(H1遮断薬;エピネフリンの補助)。4. デキサメタゾン0.1-0.2 mg/kg IV(後期相反応抑制)。5. 気管支攣縮残存時:アミノフィリン4-9 mg/kg IV over 20分。6. 最低6-12時間モニタリング(二相性アナフィラキシー)。7. ミツバチ刺傷:針を擦り取る(摘まむと毒嚢が収縮して毒量増大)。気道閉塞リスク時は挿管準備。
予防
ハチ活動期の高リスク場所を回避。既知過敏症ペットへのエピネフリン自己注射器携帯。重症感作動物へのアレルゲン特異的免疫療法(毒液減感作)の検討。
予後
軽度-中等度アナフィラキシーへの迅速なエピネフリン投与で予後は優良(生存率>95%)。気道閉塞・心停止では不良。二相性反応のため6-12時間モニタリング。
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