フラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫
概要
播種性組織球肉腫への素因が非常に高い犬種で、早期発見が重要です。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるフラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
遺伝的素因。フラットコーテッドレトリーバーに好発。中高齢犬。
病態生理
組織球肉腫の犬種特異的な高発生率。関節周囲型(四肢)と播種型がある。関節周囲型は截肢で改善するが播種型は予後不良。
診断
フラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫の診断は組織生検による病理学的検査と免疫染色が確定的。CD18陽性、CD11d陽性、Iba-1陽性。好発部位:関節周囲(肘・膝)、脾臓、肝臓、皮下。関節型は跛行で発見されることが多い。CT全身スキャンで原発巣と転移評価。超音波で腹腔臓器の腫瘤検出。CBC:非再生性貧血(骨髄浸潤時)。生化学:ALP上昇。FNA細胞診で異型組織球を検出可能だが確定には生検が必要。フラットコーテッド・レトリーバーの腫瘍関連死の約50%がHS。品種の遺伝的素因が確認されている。鑑別:滑膜肉腫、骨肉腫(関節型の場合)、リンパ腫(播種型の場合)。CCNU療法で中央生存5-6ヶ月。
治療
【犬におけるフラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫】 フラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫は腫瘍の組織学的型・グレード・局在・転移有無で治療方針が大きく変わる。確定診断は針生検またはincisional biopsyで取得し、TNM分類でステージングを完了。 外科的完全切除が可能なら広範マージン外科的切除を第一選択(推奨マージン2-3cm、攻撃的肉腫・MCT高グレードは3-5cm、種・部位・組織型で調整)。 切除不能例・残存例には化学療法(プロトコルは腫瘍型別、リンパ腫はCHOP、肥満細胞腫はビンブラスチン+プレドニゾロン等)または緩和的放射線療法。 オーナーの治療希望・予算・犬のQOLを総合判断し、緩和ケア選択肢も提示する。 具体的な薬剤目安: Doxorubicin 30 mg/m² IV、Toceranib 2.75 mg/kg PO。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。
予防
罹患犬系統の繁殖制限。関節周囲型は截肢→ロムスチン。播種型は予後不良。
予後
犬におけるフラットコーテッド・レトリーバー組織球肉腫は間葉系悪性腫瘍で、局所浸潤性が高く広範切除でも局所再発しやすい。組織学的グレードと切除マージンが予後を左右し、不完全切除例では放射線療法の追加が再発抑制に有効。高悪性度・転移例(特に血管肉腫)は予後不良で、化学療法の併用を検討する。
関連する薬品
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