鼻腔アスペルギルス症
Sinonasal Aspergillosis / 鼻腔アスペルギルス症
概要
鼻腔と副鼻腔の真菌感染で、破壊性鼻炎と大量の鼻汁を引き起こします。
主な症状
食欲不振
無気力
鼻水
触ると痛がる
くしゃみ
原因
A. fumigatus(最多)。長頭種(ジャーマンシェパード・ゴールデン・ラブラドール)に好発。中年犬。免疫正常犬に発症(播種型は免疫不全犬)。一側性の慢性鼻汁で鑑別に挙げる。CT+鼻腔内視鏡で真菌プラークを確認。
病態生理
Aspergillus fumigatusの鼻腔内定着→真菌プラーク形成→鼻甲介の進行性破壊→一側性→両側性の粘液膿性〜血性鼻汁。鼻鏡の色素脱失が特徴的所見。篩骨板への浸潤は稀だが起こりうる。免疫正常犬にも発症する(播種型アスペルギルスとは異なる)。
治療
Dogにおける鼻腔アスペルギルス症の治療には全身性抗真菌薬療法が必要である。アゾール系抗真菌薬(フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール)またはアムホテリシンBが菌種と重症度に応じて使用される。治療期間は完全な除菌のため通常長期間(数週間〜数ヶ月)を要する。表在性感染には局所抗真菌剤を併用する。環境消毒により再感染リスクを低減する。長期アゾール療法中は肝機能をモニタリングする。
予防
確実な予防法はない。局所抗真菌療法(鼻腔内クロトリマゾール灌流)が第一選択(治癒率85〜90%)。全身投与のイトラコナゾール単独は効果不十分。
予後
予後は真菌の種類、感染部位、宿主の免疫状態、治療への反応性に依存する。表在性真菌感染は適切な抗真菌療法により予後良好であるが、深在性・全身性真菌感染では治療が長期化し予後が慎重となる。免疫抑制動物では治療反応が乏しく再発率が高い。完全な治癒には数週間から数ヶ月の継続治療が必要であり、培養陰性化の確認が治療終了の指標となる。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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