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犬 (Dog) 感染症 軽度

鼻アスペルギルス症

Aspergillosis (Nasal) / 鼻アスペルギルス症

概要

鼻腔の真菌感染症で慢性鼻水を引き起こします。

主な症状

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臨床徴候

犬における鼻アスペルギルス症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。

原因

犬のアスペルギルス症は Aspergillus fumigatus 等の吸入による。鼻腔型が多く、播種型(A. terreus 等)はジャーマン・シェパードで報告される。

病態生理

鼻腔型では鼻甲介粘膜に真菌プラークを形成し、酵素・毒素で骨・鼻甲介を破壊して破壊性鼻炎・鼻出血・鼻梁疼痛を起こす。播種型では椎体・腎などに血行性に病巣を作る。

診断

鼻アスペルギルス症の診断はCT/MRIでの鼻腔内病変評価が最も有用。CT所見:鼻甲介の破壊・溶解、前頭洞内の軟部組織陰影、篩板の浸潤。鼻鏡検査で白〜緑色の真菌プラーク(fungal plaque)を直視下に確認。組織生検で隔壁を有する菌糸のV字型分岐(45°)を病理学的に確認。アスペルギルス抗体価(AGID/ELISA)陽性率は約90%。鼻汁培養でA. fumigatus/A. nigerの分離。鑑別:鼻腔内腫瘍、異物性鼻炎、リンパ形質細胞性鼻炎。好発:中〜大型犬の長頭種。治療は局所クロトリマゾール灌流が第一選択。

治療

犬アスペルギルス症: ① 病型—鼻腔型(最多、ドリコセファリック種好発)、播種型(免疫抑制例、A. terreus)。② 確定: 鼻腔内視鏡+鼻腔粘膜生検+培養、PCR、galactomannan ELISA、CT/MRI。③ 鼻腔型治療: 経鼻クロトリマゾール 1% 50-60 mL × 60分 注入(全身麻酔下)、1-2回で奏効率70-80%。④ 全身治療: イトラコナゾール 5-10 mg/kg PO q12-24h × 4-12週、voriconazole 4-5 mg/kg PO q12h(耐性例)、肝酵素モニタ。⑤ 播種型(重症): amphotericin B+ posaconazole 経口、長期治療、予後不良。⑥ 鼻孔潰瘍管理、二次感染予防。AAHA Infectious Disease Guidelines。

予防

犬における鼻アスペルギルス症の予防は感染源との接触回避と環境管理が中心。皮膚糸状菌症: 感染動物・汚染環境(グルーミング用品・カーペット・寝具)との接触回避、新規導入動物のWood lamp検査と培養スクリーニング。深在性真菌症: 流行地での過剰な土壌粉塵曝露回避(猟犬・農用動物)、地理的リスク評価。カンジダ/マラセチアの日和見感染予防には基礎疾患(内分泌異常・免疫抑制)の適切な管理と長期抗菌薬使用の慎重な評価が重要。

予後

犬における鼻アスペルギルス症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。

関連する薬品

💊 イトラコナゾール 💊 アムホテリシンB 💊 ボリコナゾール 💊 クロトリマゾール 💊 ポサコナゾール

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