毒蛇咬傷
概要
毒蛇咬傷による局所組織壊死・全身性凝固障害・神経毒性(種により)を呈する緊急症。
主な症状
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臨床徴候
犬における毒蛇咬傷の臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。
原因
マムシ(国内)、ハブ(沖縄)、ガラガラヘビ(北米)、コブラ科等の毒蛇による咬傷。多くは犬が蛇を嗅いで顔面に咬傷。
病態生理
日本:マムシ(Gloydius blomhoffii)→出血毒(メタロプロテアーゼ/SVMP)+細胞毒→局所の激しい腫脹・壊死(2-4 cm/時間で拡大)+全身性凝固障害(VICC)・急性腎障害。ハブ(沖縄)→より重度の組織壊死。北米:ガラガラヘビ→出血毒+神経毒。コブラ科(サンゴヘビ等)→3本指毒素(3FTx)がNMJ後シナプスニコチン受容体遮断→遅発性上行性弛緩性麻痺。咬傷部位は顔面(鼻先・口唇)が最多。
診断
ヘビ咬傷歴+咬傷部位の急速な腫脹、疼痛、出血。マムシ(日本で最多): 咬傷2点(牙痕)、局所腫脹→壊死。全身症状: 嘔吐、DIC、横紋筋融解、AKI。CBC: 血小板減少、赤血球形態異常(echinocyte)。凝固パネル: PT/APTT延長、FDP上昇。CK著増(横紋筋融解)、BUN/Cre上昇(腎障害)。腫脹の進展をマーキング・時間記録。抗毒素血清投与の適応判定。日本ではマムシ・ヤマカガシが臨床上重要。
治療
止血帯・切開・口での毒吸引は禁忌(組織障害増悪)。首部咬傷ではカラー除去。輸液(0.9% NaCl)で循環サポート。抗毒素血清(日本:馬由来マムシ抗毒素1バイアルIV、6時間以内が最効)→投与前にジフェンヒドラミン2 mg/kg IM。腫脹をマーカーで30分毎にトレース。DIC・活動性出血のみFFP適応(抗毒素でVICC回復が先)。鎮痛:モルヒネまたはトラマドール。24-48時間後に壊死組織デブリードマン。心電図モニタリング(不整脈チェック)。最低12-24時間入院観察(遅発性神経毒性)。
予防
ヘビ生息地でのリード装着、ヘビ回避訓練、温暖期の草むら・岩場での鼻先確認行動に注意。
予後
迅速な抗毒素投与で予後は良好、死亡率<5%。顔面咬傷は局所腫脹による気道閉塞リスク。VICC抗毒素投与後24-72時間で回復。組織壊死は外科的デブリードマンが必要なことがある。
関連する薬品
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