ユリ中毒
概要
犬のユリ中毒は種類によって管理が全く異なる。(1)スパシフィラム/カラー:シュウ酸カルシウム結晶→口腔刺激のみ(全身毒性なし)。(2)真性ユリ(Lilium/Hemerocallis):猫特有の腎毒性—犬は腎不全にならない。(3)スズラン(Convallaria):強心配糖体(コンバラトキシン)→致死的不整脈。ユリの種類確認が最重要。
主な症状
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臨床徴候
犬におけるユリ中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
ユリ植物・植物素材の摂取。スズランが犬にとって最も危険。花屋のアレンジメントに含まれるユリ属(猫に危険)に注意。
病態生理
スパシフィラム:結晶による口腔機械的刺激(全身毒性なし)。真性ユリ:猫特有の近位尿細管毒性(機序不明)、犬は影響なし。スズラン:コンバラトキシンがNa/K-ATPase阻害→高カルシウム→不整脈(ジゴキシン毒性と同機序)。
診断
病歴聴取でユリ科植物の摂取を確認。犬では猫ほどの腎毒性は稀だが、消化管症状は発生。血液検査でBUN/Cre測定(腎機能モニタリング)。尿検査で尿比重・尿沈渣を評価。嘔吐・下痢・食欲不振の消化管症状を確認。スズラン(Convallaria)は心毒性(強心配糖体)。心電図で徐脈・不整脈をモニタリング(スズラン摂取時)。催吐+活性炭+輸液支持療法。
治療
スパシフィラム/カラー:口腔洗浄+スクラルファート(入院不要)。真性ユリ:支持療法のみ(犬に腎毒性なし、安心させる)。スズラン(心臓緊急):活性炭→持続ECGモニタ→アトロピン(徐脈)→リドカイン(VT)→ICU管理。
予防
スズランをアクセス可能な場所から除去。真性ユリは猫から隔離。植物の事前確認。
予後
スパシフィラム:良好(自己限定的)。真性ユリ(犬):良好(腎毒性なし)。スズラン:予後不良〜慎重(致死的不整脈リスク)。早期治療で改善。
関連する薬品
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