胎仔遺残
概要
一匹以上の胎仔が分娩されず、胎仔の死亡、ミイラ化、敗血症に至ります。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける胎仔遺残の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
ウサギにおける胎仔遺残の原因: 一匹以上の胎仔が分娩されず、胎仔の死亡、ミイラ化、敗血症に至ります。
病態生理
分娩時に胎仔の一部または全部が娩出されずに子宮内に停滞する病態。子宮無力症(低カルシウム血症・肥満・高齢・栄養不良)、胎仔の過大・胎位異常、胎仔死による分娩停止などが原因となる。遺残した胎仔・胎盤は子宮内で変性・ミイラ化または腐敗し、細菌感染による子宮蓄膿・子宮炎、さらに毒素吸収による敗血症・全身性炎症に進行する。母ウサギは食欲廃絶・元気消失・腹部緊満を示し、放置すると致死的となるため、オキシトシンによる娩出または帝王切開・卵巣子宮摘出を要する。
診断
分娩後の持続的腹部膨満・悪露異常・食欲不振・沈鬱から胎仔遺残を疑う。X線で子宮内の胎仔骨格陰影を確認。超音波で子宮内容(生存/死亡胎仔・液体貯留)を評価。CBC/生化学でヘテロフィル増多・肝酵素上昇(敗血症進行時)を確認。バイタルサインで発熱・脱水を評価。分娩歴の詳細聴取(分娩開始からの時間・既産仔数)が重要。ウサギの妊娠期間は30-33日で、正常分娩は通常30分以内に完了する。胎仔遺残は敗血症・子宮破裂に進展しうる緊急疾患。
治療
緊急安定化: 輸液療法(乳酸リンゲル液 10mL/kg/hr IV)、酸素補給。オキシトシン(1-2 IU/kg IM、15-30分間隔で最大3回)による排出促進を試みる。カルシウムグルコン酸(50-100mg/kg SC、10%溶液を希釈)で子宮収縮を補助。反応がない場合や敗血症徴候(発熱、膣排膿、ショック)がある場合は緊急帝王切開術/卵巣子宮摘出術を実施。抗菌薬(エンロフロキサシン 5-10mg/kg SC q12h + メトロニダゾール 20mg/kg PO q12h)。疼痛管理(ブプレノルフィン 0.03-0.05mg/kg SC q6-8h、メロキシカム 0.3-0.6mg/kg PO q24h)。術後の敗血症・DIC徴候をモニタリング。強制給餌と保温管理。
予防
胎仔遺残の予防: 繁殖前評価で骨盤解剖をレントゲン確認。体重管理(BCS 3-4)。妊娠期のカルシウム十分摂取。分娩中の積極的モニタリング。胎仔数の確認。完全な胎盤排出の確認。膣排膿の監視。非繁殖メスはOVE推奨。
予後
胎仔遺残の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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