角膜炎
概要
角膜の炎症(潰瘍を伴う場合と伴わない場合がある)で、外傷・感染・露出・涙液不足による。ウサギでは見落とされやすい重要な誘因として、鼻涙管閉塞と慢性眼脂を起こす歯科疾患、および眼球突出による露出性角膜症がある。未治療では潰瘍化・血管新生・瘢痕化へ進行しうるため、歯科と鼻涙管の評価を精査に含める。
主な症状
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原因
外傷(牧草・敷料・自己掻爬)、細菌感染(パスツレラ、ブドウ球菌)、露出性角膜症(眼球突出・閉瞼不全)、涙液不足、異物、そしてウサギで多い歯科疾患+鼻涙管閉塞への続発。フルオレセインで潰瘍性か非潰瘍性かを鑑別する。
病態生理
ウサギの眼科組織における炎症過程は、自然免疫および適応免疫応答の活性化を伴う。炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1、IL-6)とケモカインが好中球・マクロファージ・リンパ球を患部組織に動員する。持続的炎症は組織浮腫・血管透過性変化・進行性組織損傷をもたらす。ウサギの生理学的特性が炎症反応パターンと治癒能力に影響しうる。
治療
詳細な眼科検査: フルオレセイン染色(潰瘍評価)、シルマー涙液試験、眼圧測定、スリットランプ生体顕微鏡検査。歯根圧迫の除外が重要(ウサギの角膜炎/涙嚢炎の頻回原因 — 頭蓋X線またはCT推奨)。局所抗菌薬: クロラムフェニコール 0.5%点眼 q6h またはシプロフロキサシン 0.3%点眼 q6h(潰瘍性角膜炎の第一選択)。非潰瘍性角膜炎: 局所NSAID(フルルビプロフェン 0.03%またはジクロフェナク 0.1% q8-12h)。散瞳/鎮痛: トロピカミド 1% q12h推奨(アトロピンよりも — ウサギの約30%が血清アトロピナーゼを持ちアトロピンが無効)。深在性/融解性潰瘍: 自家血清点眼 q2-4h(コラゲナーゼ阻害)+ 集中的局所抗菌薬 q1-2h。非治癒性潰瘍には結膜有茎弁移植または第三眼瞼フラップ。全身性疼痛管理: メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h。Eカラーまたはボディスーツで自傷防止(Eカラーはストレス増大の可能性あり — 食欲不振/GI stasisを監視)。歯根が原因の場合: 全身麻酔下で歯科矯正/抜歯。鼻涙管関与が疑われる場合は涙嚢造影。治療期間中チモシー牧草を常時自由摂食。治癒までフルオレセイン染色を3-5日毎に再検査。参考文献: Williams (2007) Vet Clin Exot Anim, Harcourt-Brown (2002). [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート。BCAA(分岐鎖アミノ酸)が筋蛋白合成を促進+MSMが結合組織の修復をサポート。術後回復、骨折治癒、CKD/肝疾患の筋肉量維持、競走馬・スポーツ犬の運動器サポートに ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
炎症性疾患の予後は原因の特定と除去、治療反応に依存する。急性炎症は適切な治療で予後良好な場合が多い。慢性炎症は長期管理が必要で、進行性臓器障害のリスクがある。抗炎症療法と原因治療の併用が予後改善に重要。
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