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うさぎ (Rabbit) 感染症 緊急

虹彩脱出

Iris Prolapse / 虹彩脱出

概要

全層性の角膜欠損を通じて虹彩組織が突出した状態で、眼科的緊急症。深い(融解性)角膜潰瘍や穿通性外傷が角膜を穿孔すると、房水が流出し、虹彩が穴を塞ぐように前方へ引き出されて角膜表面に暗色の腫瘤として現れる。眼内炎・続発性緑内障・視力喪失のリスクが高く、緊急の外科的管理を要する。

主な症状

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臨床徴候

ウサギにおける虹彩脱出の臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。

原因

角膜穿孔が原因で、最も多いのは進行した深部/融解性角膜潰瘍(ウサギではしばしばパスツレラ関連)、穿通性外傷、デスメ膜瘤の破裂。涙液不足・露出性角膜症・歯科疾患に伴う眼表面の障害が、契機となる潰瘍の素因となる。

病態生理

角膜潰瘍が実質全層とデスメ膜を貫通する(または外傷が角膜を穿通する)と、房水が流出して前房が虚脱する。生じた圧較差が虹彩を欠損部へ引き込み、虹彩が嵌頓して創を塞ぐが、瞳孔が変形し血液房水関門が破綻する。露出したぶどう膜組織は細菌汚染(眼内炎)を受けやすく、創部のフィブリン・虹彩癒着が房水流出を妨げて続発性緑内障を来す。迅速に修復しなければ眼球癆へ進行しうる。

診断

角膜穿孔部からの虹彩組織の突出を視診で確認。スリットランプ検査で角膜穿孔の部位・大きさ・虹彩嵌頓の程度を評価。フルオレセイン染色で角膜上皮欠損・房水漏出(Seidel試験陽性)を確認。眼圧測定で低眼圧を確認。眼超音波で水晶体脱臼・眼内異物を除外。細菌培養で感染を評価。ウサギでは外傷(同居ウサギとの喧嘩・鋭利物)が主因であり、E. cuniculi関連の水晶体誘発性ぶどう膜炎による角膜穿孔も考慮する。緊急眼科処置が必要。

治療

虹彩脱出は即座の外科的介入を要する眼科緊急疾患。手術まで露出した虹彩組織を無菌生食浸漬ガーゼで湿潤維持。自己外傷防止にEカラー。脱出が新鮮(<24時間)で組織が生存可能: 虹彩の前房内への外科的還納+角膜修復(8-0〜10-0吸収糸で直接縫合)。脱出が>24-48時間または組織が壊死/汚染: 虹彩切除術(虹彩切開術)+角膜修復。大きな角膜欠損には結膜有茎弁移植または角膜移植。可能であれば獣医眼科専門医への紹介推奨。術前: トロピカミド1%点眼で散瞳(注: ウサギの約30%にアトロピナーゼあり — ウサギの眼にはアトロピンよりトロピカミドが推奨)、局所抗菌薬(オフロキサシン0.3%またはクロラムフェニコール q2h)。術後: 局所抗菌薬(オフロキサシンまたはクロラムフェニコール q6-8h 14-21日間)、毛様体筋麻痺のためアトロピン1%またはトロピカミド1%点眼(毛様体攣縮からの疼痛緩和)、全身メロキシカム0.3-0.5 mg/kg PO q24h、ブプレノルフィン0.02-0.05 mg/kg SC q6-8h 3-5日間。治癒中はEカラー継続。基礎原因の特定と治療: 深部角膜潰瘍(最多 — 通常パスツレラ関連)、鈍的外傷、水晶体破壊性ぶどう膜炎(E. cuniculi水晶体破裂)。続発性緑内障、眼内炎、眼球癆をモニタリング。慢性疼痛を伴う非視覚眼: 眼球摘出が最も人道的な選択肢となりうる。参考文献: Varga (2014), Williams (2007) Vet Clin Exot Anim.

予防

予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる

予後

予後は要注意 — 穿孔の大きさ・部位、手術までの時間、組織の生存性に依存する。新鮮で小さな脱出を速やかに修復すれば、疼痛のない(時に視覚を保った)眼を温存できる。大きな・汚染された・遅延例ではしばしば緑内障・眼内炎・眼球癆へ進行し、眼球摘出を要することがある。

関連する薬品

💊 クロラムフェニコール 💊 メロキシカム 💊 ブプレノルフィン 💊 アトロピン 💊 トロピカミド

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