気管虚脱
概要
気管軟骨輪の進行性弱化により気道閉塞を引き起こし、トイ犬種に多いです。
主な症状
原因
先天性軟骨形成異常(グリコサミノグリカン欠乏)、肥満、慢性気道刺激。好発:ヨークシャーテリア、ポメラニアン、チワワ、トイプードル、マルチーズ。中高齢で臨床的に顕在化。
病態生理
気管軟骨のグリコサミノグリカン・コンドロイチン硫酸の減少→軟骨輪の扁平化→背側膜の弛緩→吸気時(頸部気管)/呼気時(胸腔内気管)の気管内腔狭窄→ガチョウ鳴様咳嗽。慢性気道刺激→気管支炎・気管粘膜の化生。Grade I-IV(25〜100%狭窄)。
治療
内科的管理(Grade I-II):体重管理が最重要、ハイドロコドン(0.22 mg/kg PO q8-12h)またはブトルファノール(0.5-1 mg/kg PO q6-12h)で鎮咳。気管支拡張薬:テオフィリン(10 mg/kg PO q12h徐放剤)。興奮時の発作にはブトルファノール+アセプロマジン低用量。プレドニゾロン短期使用(0.5 mg/kg PO q24h×3-5日)で気道炎症軽減。外科的治療(Grade III-IV):気管外プロテーゼ(extraluminal ring)は頸部気管に有効。気管内ステント(intraluminal stent)は胸腔内気管虚脱に適応、合併症(ステント移動、肉芽形成)に注意。ハーネス使用必須(頸部圧迫回避)。
予防
肥満防止、首輪よりハーネスの使用、気管刺激の回避(煙・粉塵)、興奮の抑制、高温多湿環境の回避。
予後
変性疾患の多くは進行性かつ不可逆的であり、完治は困難である。しかし適切な疼痛管理、体重管理、リハビリテーション、環境改善により疾患の進行を遅延させ、生活の質を長期にわたり維持することが可能である。早期介入が機能温存に重要であり、マルチモーダルな疼痛管理プロトコルが推奨される。定期的な再評価により治療計画を最適化する。
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