ピルビン酸キナーゼ欠損症
概要
バセンジーやビーグルに見られる遺伝性赤血球酵素欠損症で、慢性溶血性貧血を引き起こします。
主な症状
原因
常染色体劣性遺伝。バセンジー(最多)、ビーグル、WHWT、チワワ、パグに報告。DNA検査でキャリア同定可能。慢性貧血+脾腫の若齢犬で疑う。
病態生理
PK-R(赤血球型ピルビン酸キナーゼ)遺伝子変異→赤血球の解糖系ATP産生障害→赤血球寿命の短縮→慢性溶血性貧血→代償性骨髄過形成→骨髄線維症→造血不全→致死的。PCV 15〜30%の持続的貧血。脾腫を伴う。
治療
根治療法なし(常染色体劣性遺伝)。慢性溶血性貧血に対する支持療法:重度貧血時は輸血。脾摘は一時的にPCV改善するが、肝線維症・骨硬化症の進行は防げない。骨髄移植が唯一の根治的治療だが実施困難。鉄過剰蓄積(輸血・溶血由来)→肝障害に注意。予後不良:多くは1-5歳で進行性骨硬化症・肝不全で死亡。好発:バセンジー、ビーグル、ウェストハイランドホワイトテリア、ケアンテリア。遺伝子検査で繁殖管理。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化
予防
DNA検査による繁殖管理。治療法はなく支持療法のみ。多くは1〜5歳で骨髄線維症により死亡。
予後
栄養性疾患の多くは原因となる栄養不均衡の是正により良好な予後が期待できる。早期に適切な食事矯正とサプリメント補充が開始されれば、多くの臨床症状は可逆的である。しかし成長期の骨格変形や重度の神経障害など、長期の栄養欠乏により不可逆的な構造変化が生じた場合は完全な回復が困難である。継続的な栄養モニタリングと食事管理が再発防止に不可欠である。
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